記者志願

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記者志願

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  • サイズ B6判/ページ数 273p/高さ 19X13cm
  • 商品コード 9784806756910
  • NDC分類 304
  • Cコード C0036

出版社内容情報

人びとの哀歓に寄り添った取材をつづけ、日本記者クラブ賞など、数多くの賞を受賞した著者が、記者としての自分のすべてを語る。  ■■■山田太一氏(シナリオ作家)=ドキドキしながら読んでいます。あの時代がなまなましく蘇って、とにかく面白いです。■■■黒田清氏(ジャーナリスト)=この本を手にした夜は朝がた近くまで眠れなかった。若い夢追い人よ、この本を読んでジャーナリズムの門を叩いてくれ。■■■樋口恵子氏(評論家)=当代一流のジャーナリスト斎藤さんが、時代の水先案内人として警鐘を鳴らしつづけた作品を通読すると、さながら被治者の側から見た戦後通史の観がある。■■■松本清張氏(作家)=その寝食を忘れた熱意と、精力的な追及心と、工匠を思わせるような取材技術とは、最近とかくマンネリ化したといわれる新聞・雑誌記者を奮起させるであろう。■■■  ★★★ポリマーダイジェスト評(1992年7月号)=ノウハウとか教材のない新聞・通信記者の現場体験は後進ジャーナリストへのプレゼントであろう。ジャーナリズムのあるべき姿を求め続けた著者の真価が読みとれる一冊。★★★朝日新聞評=ジャーナリストとして生きた著者の深いエートスが、詩的に、しかし剛直に表現されていて、心を打たれる。★★★三田評論(内海愛子氏)評(1991年1月号)=克明に取られた取材ノート、短い記事の裏につぎ込まれた情熱、社会的弱者への温かい眼差し、権力犯罪への怒り--時に応じて見せるジャーナリストのこころの動きが読みやすい文章の中から浮かび上がり、多くの時間を経過した今も読む者の心を打つ。すぐれたジャーナリストが、たぎるおもいで書き綴ったこれらの書を読み終えて、深いため息とともに自分の過去を振り返る人も多いだろう。★★★  ●●●本書「まえがき」より抜粋=「取材ノート」シリーズ完結編に当るこの最終巻には、主にジャーナリズムについて、あるいはメディアについて、私なりの考えを書いた文章を収録することにした。第1部「人々の哀歓に寄り添って」は冒頭の「ある殺人事件」で集約的に書いたような、私が記者として「そうありたい」と願う姿についての短い文章を集めた。第2章「現代の顔」はメディアの発信する情報を検証しながら、私なりの「メディアよ、かくあるべし」との提言めいた文章を収めた。第3章「われらの仕事と人生」は、私の親しい友人たちに登場してもらって、彼らの語り口を借りて私のジャーナリズムへの懸念を語ったものである。そして最後の「記者志願」は私自身を素材に、私が私を取材するようなつもりで、私という一人の男がなぜ記者に憧れ、記者になろうとし、そして何を取材し何を書こうとし、いまどんな記者になろうとし、どうやって現代を生きのびようとしているのか、という、いわば、私の「記者志願」の記録である。●●●  【主要目次】▲▲第1章・人々の哀歓に寄り添って=ある殺人事件/オジン記者の憂鬱/現実に身を曝して歩く/なぜ真実が見えないのか/「人間」を考えさせるルポを  ▲▲第2章・現代の顔=メディアの窓から(「合意の上、乱暴する」強姦は存在するか?/誤報“女スパイ”を生んだ国家秘密法の影/新たな視点開いたNHKの「アジアの花嫁」/死を予感して生きる男/マスコミの「原発報道」への期待/「KY事件」の落とし穴/一杯のかけそばと宇野スキャンダル/エロス的人間関係のイメージ/「凶悪」を生む構造/生活者としての視点/テレビ局を覆う合理化と男女差別/本当の意味の“不祥事”/「報道」の危機/「オセチ」原稿からの脱皮/「過労死」に追い詰められる子どもと大人/マスコミの倫理感覚)/もっと「時代」との接点を/東京Xデーを歩く(奉悼閉店/赤い花/魔女たちの群れ/従順な冷酷人間?/無私なるものへ/革命幻想)/「おことわり」で済むのか---報道協定をめぐって(誘拐報道と同列か?/なし崩しの報道管制)  ▲▲第3章・われらの仕事と人生=命の響きを追って---池田恵理子さんとの会話(一筋の水脈のような/なぜアジアなのか/日本が見えてくる/競争原理を超える/匿名電話をきっかけに/テレビは娯楽箱でいいのか)/一生懸命の時代---英伸三さんとの対話(取材の醍醐味/なぜ農村へ行ったか/情報源は地方新聞/心の中を撮る/直立不動の男女/一目散に暗室へ/人間がつながっていた/たたかいと人生が溶けこんでいた/人間が捨てられていく/どう一生懸命になるのか)/このままじゃ情ない---鎌田慧さんとの対話(企業内で頑張るということ/男と女の問題を追う/板子の下が見えない/白い靴下・赤い靴下/ぞうきんで洗い直して)  ▲▲第4章・記者志願=遺言/輪廻転生/幼児体験/黒い生きもの/質問のしかたを学んだ/荒海の泳ぎ方/話を聞く技術/観念操作との闘い/自由な風土こそ/一匹オオカミになれ/見えないものを書く/数珠つなぎのテーマ/共生の時代のガンバリズム/人類は絶滅するか/人間は死ねばいい/サーベルタイガーの運命/この運命共同体!/この道は通り抜けられるか

内容説明

ただ礼儀正しく正面から「話して下さい」となどと迫ってもだめなのだ。カンをとる、相手の手を読むこういう取材の丹念な積み重ねの上に、最後には相手がギリギリのところで答えざるを得ない状態へ網を絞っていく。

目次

人々の哀歓に寄り添って(ある殺人事件;オジン記者の憂鬱;現実に身を曝して歩く;なぜ真実が見えないのか;「人間」を考えさせるルポを)
現代の顔(メディアの窓から;もっと「時代」との接点を;東京Xデーを歩く;「おことわり」で済むのか―報道協定をめぐって)
われらの仕事と人生(命の響きを追って―池田恵理子さんとの対話;一所懸命の時代―英伸三さんとの対話;このままじゃ情けない―鎌田慧さんとの対話)
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