錆と人間―ビール缶から戦艦まで

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  • サイズ A5判/ページ数 353p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784806715214
  • NDC分類 563.7
  • Cコード C0040

出版社内容情報

錆という自然の脅威に、めっきを施し、電流を流し、新たな技術と培った経験を武器に立ち向かう人類の戦いを描く。ウォールストリート・ジャーナル、ベストブック・オブ・ザ・イヤー受賞!
ロサンゼルス・タイムズ、最優秀図書賞最終候補作!

「最大最凶のデストロイヤー」と言われる錆(さび)。金属を加工し利用することで文明を発達させてきた人類にとって、錆は大敵だ。
防食技術と自由の女神、ステンレス鋼開発秘話、国防総省と錆との戦い、腐食防止の環境ホルモンのリスクをひたかくしにする缶産業の実態、極寒のアラスカを縦断する石油運搬パイプラインは、産出量の低下も相まって維持管理は重大な問題である。
錆という自然の脅威に、めっきを施し、電流を流し、新たな技術と培った経験を武器に立ち向かう人類の戦いを描く。


古いオンボロ船

序章  蔓延する脅威──錆という敵

第1章 手のかかる貴婦人──自由の女神と錆 
侵入者
錆びた女神 
修復基金の設立 
100年目の化粧直し 
修復を巡る思惑 
国定腐食修復地

第2章 腐った鉄──錆と人間の歴史 
腐食の発見 
酸素と金属

第3章 錆びない鉄──ステンレス鋼の発明 
ハリー・ブレアリーという男 
貧しい生い立ち 
鋼鉄に恋して 
時代の変遷 
錆びない鉄鋼 
ステンレスのナイフ 
ベッセマー・ゴールドメダル 
理想主義者の最期

第4章 缶詰の科学──錆と環境ホルモン 
ネズミを溶かす飲料 
缶と腐食 
フレーバールーム 
ボール・コーポレーション 
缶詰誕生 
缶の進化 
缶の秘密 
カン・スクールとBPA
不確かな安全性 
死の薬

第5章 インディアナ・ジェーン──錆の美
錆のフォトグラファー 
雪の中の製鋼所 
写真家の好奇心 
溶鉱炉の死

第6章 国防総省の錆大使 
防食の帝王 
軍隊を襲う錆 
ダンマイアーの戦い 
スター・トレックと防食ビデオ 
「防食対策と監督」局 
錆大使の任命 
防食と塗料 
戦士の育成 
国防総省の変わり者 
優れた費用対効果

第7章 亜鉛めっきの街 
めっきと塗装 
亜鉛で覆う 
劣化しない橋

第8章 錆と戦う男たち 
防食技術者という仕事 
変わり者たち 
全国防食技術者協会

第9章 錆探知ロボット──パイプラインと錆 
《0キロ地点》
旅の始まり 
パイプラインと腐食 
《167キロ地点》
追跡 
ピグの誕生と発達 
ピグのミステリー 
《231キロ地点》
小休止 
完全性マネージャー 
《257キロ地点》
アラスカ州政府との攻防 
《725キロ地点》
漏洩事故が与える影響 
原油量の減少という危機 
《883キロ地点》
ピグとロウ 
《1287キロ地点》
到着前夜 
最果ての終着点

第10章 暮らしの中の防錆用品 
防錆剤専門店 
一般家庭の錆 
防錆詐欺 
商売の理由

第11章 防食工学の未来 
維持管理の重要性 
学問としての防食
錆と国家 

エピローグ 
訳者あとがき


ジョナサン・ウォルドマン[ジョナサン ウォルドマン]
ジョナサン・ウォルドマン(Jonathan Waldman)
アメリカ、ワシントンD.C.で育つ。ダートマス大学とボストン大学のナイト・センター・フォー・サイエンス・ジャーナリズムで書くことを学び、また近年は、コロラド大学でテッド・スクリップス奨学金を得て環境ジャーナリズムを学んだ。
環境・科学ジャーナリストとして、ワシントン・ポスト紙や『アウトサイド』『マックスウィーニーズ』といった雑誌に寄稿しているほか、フォークリフト運転、樹木医、サマーキャンプの監督、ステッカー販売、コックなどの仕事を経験。本書は処女作で、ウォールストリート・ジャーナルのベストブック・オブ・ザ・イヤーを受賞、またロサンゼルス・タイムズの最優秀図書賞最終候補作にも選定され、アメリカで大絶賛を受けた。ウェブサイトは jonnywaldman.com。

三木 直子[ミキ ナオコ]
三木直子(みき・なおこ)
東京生まれ。国際基督教大学教養学部語学科卒業。
外資系広告代理店のテレビコマーシャル・プロデューサーを経て、1997年に独立。海外のアーティストと日本の企業を結ぶコーディネーターとして活躍するかたわら、 テレビ番組の企画、 クリエイターのためのワークショップやスピリチュアル・ワークショップなどを手掛ける。
訳書に『[魂からの癒し]チャクラ・ヒーリング』(ナチュラル・スピリット)、『マリファナはなぜ非合法なのか?』『コケの自然誌』『ミクロの森』『斧・熊・ロッキー山脈』『犬と人の生物学』『ネコ学入門』『柑橘類と文明』『豆農家の大革命』(以上、築地書館)、『アクティブ・ホープ』(春秋社)、『ココナッツオイル健康法』(WAVE出版)、他多数。

内容説明

「最大最凶のデストロイヤー」と言われる錆。金属を加工し利用することで文明を発達させてきた人類にとって、錆は大敵だ。防食技術と自由の女神、ステンレス鋼開発秘話、国防総省と錆との戦い、腐食防止の環境ホルモンのリスクをひたかくしにする缶産業の実態、極寒のアラスカを縦断する石油運搬パイプラインは、産出量の低下も相まって維持管理は重大な問題である。錆という自然の脅威に、めっきを施し、電流を流し、新たな技術と培った経験を武器に立ち向かう人類の戦いを描く。ウォール・ストリート・ジャーナルベストブック・オブ・ザ・イヤー受賞!

目次

蔓延する脅威―錆という敵
手のかかる貴婦人―自由の女神と錆
腐った鉄―錆と人間の歴史
錆びない鉄―ステンレス鋼の発明
缶詰の科学―錆と環境ホルモン
インディアナ・ジェーン―錆の美
国防総省の錆大使
亜鉛めっきの街
錆と戦う男たち
錆探知ロボット―パイプラインと錆
暮らしの中の防錆用品
防食工学の未来

著者等紹介

ウォルドマン,ジョナサン[ウォルドマン,ジョナサン] [Waldman,Jonathan]
アメリカ、ワシントンD.C.で育つ。ダートマス大学とボストン大学のナイト・センター・フォー・サイエンス・ジャーナリズムで書くことを学び、また近年は、コロラド大学でテッド・スクリップス奨学金を得て環境ジャーナリズムを学んだ。環境・科学ジャーナリストとして、ワシントン・ポスト紙や『アウトサイド』『マックスウィーニーズ』といった雑誌に寄稿しているほか、フォークリフト運転、樹木医、サマーキャンプの監督、ステッカー販売、コックなどの仕事を経験

三木直子[ミキナオコ]
東京生まれ。国際基督教大学教養学部語学科卒業。外資系広告代理店のテレビコマーシャル・プロデューサーを経て、1997年に独立。海外のアーティストと日本の企業を結ぶコーディネーターとして活躍するかたわら、テレビ番組の企画、クリエイターのためのワークショップやスピリチュアル・ワークショップなどを手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Shin

22
英語版のタイトルは『RUST』。”錆”というセクシーさの欠片もない現象に関わる(ちょっとイカレた)人々を取材したドキュメンタリー集。好みが別れるところだと思うけど、個人的にはこういうのは大好き。そもそも表紙のデザインが「錆の美しさを写真に収め続けるフォトグラファー」の作品というのが素敵すぎる。現代において、錆は我々の目の前の生活からは見えなくなりつつあるけれど、老いた社会のインフラにとっては脅威そのものであり、その脅威と静かに戦い続ける人々が存在することを知るだけでも一読の価値がある。2016/10/23

koji

13
大部なので、つまみ食いのように読みました。自由の女神と、ハリーブレアリーのステンレス発明の降りが気に入りました。それにしても欧米系のジャーナリストは、しつこく調べて分かりやすく書きますね。着眼点も見事です。私が時折欧米ノンフィクションを読む理由です。2017/09/09

8
【立読】錆に関する歴史からステンレス、アルミ缶の発明、塗料などの防食に関するオタク的な内容。専門的な化け学の知識が無くても楽しく読める。船、兵器に関する錆が多いが一般家庭に関する錆の話もあり。知識欲を湧き立ててくれる。2017/01/02

kenitirokikuti

7
図書館にて。原著の刊行は2015年と新しい。科学史家ではなく、科学ジャーナリストによるもの。錆ったら鉄の表面が酸化するもんというイメージなのだが、モノには微量の金属元素が含まれており(ミネラル成分といった方がわかり良い)、すると異なる2つの金属が接して電圧が生じてしまい、そこが腐食が発生するのだ。これを逆手に取るのがメッキである▲塗料について。飲食物の「缶(詰)」の内側外側には人工樹脂が多層貼り付けられている。なるほど、ペットボトルと同じなんだな。環境ホルモンの観点からエポキシ樹脂の危険性が言われている。2021/01/30

Uzundk

7
とても面白かった。全ての金属はやがて錆となる。金属を扱う様になって以降のすべては錆との戦いであり、貴金属の貴さとは錆にくいのことである。現代、人の手に触れる金属はアルミやステンレスなどとてもさびにくくなった様に見えるが、それは塗装などで覆い隠されているからである。そうでもしなければ、やはり世の中は錆だらけなのだ。日常生きている間におおよその人は気にもとめない錆、だが現代的な生活を支えるありとあらゆる構造物、建築物、機械は金属を使っており、私達は常に闘いに曝されているのである。2016/09/18

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