雑草社会がつくる日本らしい自然

個数:

雑草社会がつくる日本らしい自然

  • ウェブストアに2冊在庫がございます。(2024年05月09日 00時36分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ B6判/ページ数 205p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784806714729
  • NDC分類 470
  • Cコード C0045

出版社内容情報

「日本らしい自然」を築き、親しみ、利用してきた。雑草の生活様式、拡大戦略、再生のメカニズムや雑草社会の仕組みを解き明かす。

雑草は、多様な種類が互いに関係しあいながら、社会を築いている。
古来、日本人は雑草社会と深くかかわることで、
「日本らしい自然」を築き、親しみ、利用してきた。
雑草の生活様式、拡大戦略、再生のメカニズムや
雑草社会の仕組みを解き明かし、
河川堤防や街中で行われている、
「日本らしい自然」再生プロジェクトを紹介する。

はじめに

第1章 日本人と雑草
1 「日本らしい自然」とは
二つの自然/雑草社会はどこで成立するか/半自然と日本らしい景色
2 和辻哲郎の風土論と日本的景観
世界の三つの風土と景観/連続性にある日本の景観の特色
3 日本人の雑草観
雑草天国・日本/日本人が雑草からイメージすること/弥生時代以前から中世までの雑草観/江戸時代の食糧増産作戦と雑草/研究の対象にならなかった雑草/大人と子どもの雑草観
4 都市の緑と野草花壇
日本の都市の緑の現状/東京の真ん中につくった野草花壇/世界の趨勢は日本古来の植生
5 雑草の広がり方で変わるイメージ

第2章 人とともに生きのびてきた雑草たち
1 雑草の進化の足どりをたどる
嫌われる存在へと進化した雑草/雑草の起源/500種以上ある日本の雑草
2 雑草社会は人間の土地利用や管理をどう受け止めたか
土地利用によって変わる雑草/除草剤によって変化した雑草社会/戦前と戦後の線路脇の雑草たち
3 雑草たちの生活様式
一年生雑草/二年生雑草/多年生雑草
4 雑草たちの繁殖の生態学
長日植物と短日植物/生き残りのための生殖戦略
5 雑草種子の移動と定着
雑草は途方もない数の種子を生産する/大きな種子と小さな種子のメリット・デメリット/種子散布の四つの仕掛け/二次散布に影響するもの
6 休眠と発芽のメカニズム
取っても取っても雑草が生えてくるのはなぜか/休眠する種子/休眠から覚醒するために/土中で生きつづける種子

第3章 雑草社会の仕組みを探る
1 農耕地で生き残るために
2 非農耕地では再生力をつける
多年生雑草の刈り取り後の再生力/ススキ/チガヤ/シバ/ササ類/マメ科/ヒメジョオン、ヨモギ、エゾノギシギシ/一年生雑草の再生力/刈り取りと再生力の関係
3 踏みつけられても焼かれても再生する
踏みつけと再生力/家畜による攪乱/野焼きと焼畑
4 雑草社会のかたち
雑草社会とは/群落を構成する雑草の種類/イネ科タイプと広葉タイプの優占種/草丈の異なる三つのグループ
5 構成員の陣取り戦術
親分雑草の背丈と生育型で変わる多様性/陣地強化型と陣地拡大型/生育型戦術を数値化する
6 雑草社会の移り変わり
移り変わる親分雑草/一次遷移と二次遷移の構成員の違い/攪乱後の裸地の五つのタイプ/適切な雑草社会の管理とは

第4章 どこから来たのか招かれざる緑の客人
1 様変わりする帰化植物とその周辺
変わる河川敷や道路脇の景色/外来種と帰化植物/帰化植物の勢力拡大の過程/環境雑草/ワイルドフラワーの功罪
2 帰化植物の原産地と生態的特性
新帰化植物の出身地/植物の七つの生存戦略/四つの立地条件と帰化植物
3 何が帰化植物の棲み家を広げるのか
ナガミヒナゲシの越冬拡大戦略/雑種タンポポの登場/セイヨウタンポポは在来タンポポを駆逐しない/在来タンポポと雑種タンポポの関係/戦後急速に陣地を拡大したセイタカアワダチソウ/今や栽培禁止、オオキンケイギク/一筋縄ではいかないオオハンゴンソウ

第5章 雑草で再生する日本らしい自然(実践例)
1 雑草の素性をよく知ってから利用する
手っ取り早く雑草の素性を知る方法/雑草が生えていることの効果
2 雑草を抜いて雑草を植える─汐入方式のすすめ
堤防法面の五つの植生/河川堤防の植生に求められる機能/帰化雑草を抜いた跡地に在来種を植える─汐入小学校の実践
3 東日本大震災の復興で日本らしい自然を再生する
身近で誰でも活動できる場所を求めて/被災堤防で始めた七草プロジェクト
4 街中に雑草公園をつくって生物多様性を保全する
おわりに
引用文献
索引

【著者紹介】
1946年、東京生まれ。東北大学大学院農学研究科修了。農学博士。専門は植物生態学。農林水産省農業環境技術研究所、東京農業大学地域環境科学部教授を経て、現在、東京大学大学院農学生命科学研究科・附属生態調和農学機構特任研究員、東京農業大学客員教授。現代の身近な自然は外来雑草(植物)で満ちあふれている。子どものころ、多摩川の土手で見たような「日本らしい自然」の主役であった在来雑草のよさを、多くの人に知ってほしいという思いから、「日本らしい自然」を再生する活動を各地で実施している。趣味は野生植物の観察と栽培。旅先でも通勤途中でもつい植物に目がいってしまう。著書に、『日本らしい自然と多様性』『砂漠化ってなんだろう』(ともに岩波ジュニア新書)、『砂漠化する地球の診断』『雑草たちの陣取り合戦』(ともに小峰書店)、『雑草生態学』(編著、朝倉書店)、『環境保全型農業事典』(共編、丸善)などがある。

内容説明

雑草は、多様な種類が互いに関係しあいながら、社会を築いている。古来、日本人は雑草社会と深くかかわることで、「日本らしい自然」を築き、親しみ、利用してきた。雑草の生活様式、拡大戦略、再生のメカニズムや雑草社会の仕組みを解き明かし、河川堤防や街中で行われている、「日本らしい自然」再生プロジェクトを紹介する。

目次

第1章 日本人と雑草(「日本らしい自然」とは;和辻哲郎の風土論と日本的景観 ほか)
第2章 人とともに生きのびてきた雑草たち(雑草の進化の足どりをたどる;雑草社会は人間の土地利用や管理をどう受け止めたか ほか)
第3章 雑草社会の仕組みを探る(農耕地で生き残るために;非農耕地では再生力をつける ほか)
第4章 どこから来たのか招かれざる緑の客人(様変わりする帰化植物とその周辺;帰化植物の原産地と生態的特性 ほか)
第5章 雑草で再生する日本らしい自然―実践例(雑草の素性をよく知ってから利用する;雑草を抜いて雑草を植える―汐入方式のすすめ ほか)

著者等紹介

根本正之[ネモトマサユキ]
1946年、東京生まれ。東北大学大学院農学研究科修了。農学博士。専門は植物生態学。農林水産省農業環境技術研究所、東京農業大学地域環境科学部教授を経て、東京大学大学院農学生命科学研究科・附属生態調和農学機構特任研究員、東京農業大学客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Uzundk

2
雑草との関わりについて。雑草と一口に言うけれど整った野原や畦道があると思えば、立ち入ることのできぬほどの藪もある。別に育てているわけではないが、どのような雑草がそこに育つかは人間の生活と密接に関わっていることを示す。ここから見えてきたのは放置するのではなく、幾らかの手間をかけることで草の生えた自然の景観は多少制御ができると言うこと。雑草の生活様式を知ることで、雑然とした藪ではなく古来から愛された日本らしい自然の風景を作ろうと活動しているのはすごい。小さな環境で自分でも試してみようと思う。2017/04/14

井上岳一

1
在来植物にフォーカスした本。途中までは面白かったが、後半は息切れ。2014/05/21

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/7978370
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。