内容説明
機械、化学肥料や農薬、高収量品種がなかった時代、文明の礎となる膨大な余剰食料生産はなぜ可能だったのか。現在は辺境に埋もれている古代文明を支えた農法を発掘し、その謎を解いていくと、世界の食料生産の未来が見えてくる。
目次
プロローグ 辺境農業探索へのいざない
1 バック・トゥ・ザ・フューチャー
2 未来への遺産―マヤ、アステカ、アマゾン、インカ
3 曼荼羅というコスモロジー―インド・スリランカ
4 太古からのイノベーター―今蘇る古代の叡知
エピローグ 行く川の流れは絶えずして
あとがきにかえて 田んぼの虫五万世代との共進化
著者等紹介
吉田太郎[ヨシダタロウ]
1961年東京生まれ。筑波大学自然学類卒業。同学大学院地球科学研究科中退。東京都職員を経て、現在、長野県職員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kei muramatsu
2
ろくすっぽ覚えてないのだが、近代農法と伝統農法の対比が印象に残っている。台風などの、天災について、影響を受けた程度の比較をした部分などは印象に残っている。昨今の持続可能な開発に関わるものと思った。植物の相性を鑑み、相互にプラスの影響を与え合う環境というのは、農業のみならず、あらゆる分野にとって、ひとつの理想の形なのではないだろうか。個人での生産性という見方から、全体での生産的価値を考えることに、変化させていく意義を見つけられると、差別の一端にメスを入れることができるのではないか、と直感した一冊。
あき
0
古代農法とか伝統農法とか呼ばれる、石油に依存する近代農業以前の農法に焦点を当てて解説している本ではあるが、図面が乏しく文章だけで説明しているのが大半のため、いまいちビジュアル的に理解しづらい。 古代農法の意共通しているのは、リスク回避指向で収穫の安定性を重視。近代の生産性重視とは違うというところは理解した。2015/09/23
土岐晴嵐
0
古代文明と違い、現在は石油が無ければ私たちが食べる量の食糧を作れなくなっているという事、これから先世界人口が増えていった場合の食糧を考えると未来について考えさせられた。2011/10/14