内容説明
日本を代表する樹木三六種を、「森の案内人」のエキスパートである著者が解説。外見の特徴、生き残るための多様な戦略を解説―身近な自然木の魅力にあっと驚く本格的樹木ガイド。
目次
第1章 暖温帯(常緑樹)(タブノキ―忍耐と堅実;スダジイ―その場を死守せよ ほか)
第2章 暖温帯(落葉樹)(コナラ―倒れゆく帝国;ヤマザクラ―もてなしの達人 ほか)
第3章 中間温帯・冷温帯(イヌブナ―守りに徹する;イヌシデ―懐の深さ ほか)
第4章 亜高山帯・高山帯(シラビソ―圧倒する数の力;オオシラビソ―逆転の方程式 ほか)
著者等紹介
渡辺一夫[ワタナベカズオ]
1963年生まれ。森林インストラクター。農学博士。東京農工大学大学院修了後、河川、砂防関係の仕事を経て、森林インストラクター(森の案内人)となる。中学生の頃より山に登り始め、現在も主に関東近郊の山を歩いている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nuna
2
メインタイトルからするとトリビア集に思えるけど、その実は36種それぞれの個性と生き残り戦略を詳述した日本の樹木ガイドブック。桜くらいしか区別がつかないほど樹木音痴であるが、この本を読んだ後はそれぞれの木々が何故このような姿をしているのかわかるようになって、木を見る視線が変わった。2011/05/13
竜王五代の人
1
「オールマイティーな『スーパーツリー』」にはなれないからこそ、それぞれの樹種が一芸に長じてそれぞれのニッチを得ている様子を描いた本。遷移の始め・中途・極相、光の強い夏だけさっと稼ぐか、高コストの葉を作って長期間で回収するか、あえて一度生長させた枝や幹を捨ててからだを小さくしたり地盤の崩れに合せたりと、戦略はいろいろでそのどれもが大正解と言えなくとも間違っているわけではないところが面白い。2021/06/01
たえ
1
森林系を専攻していた自分にとってはとても優しい参考書、というイメージでした。 でも確かに、葉っぱのつき方や花の時期なんかより、どういう戦略で木々が生きているのかを述べたほうが読む人はずっと楽しいと思います。 主要な樹木のさわりの部分を知りたい!という方はぜひどうぞ。 とても読みやすいです。2012/04/07
seitr
1
陽樹として攪乱地への進出をとるか、陰樹として森の中でギャップができるのをじっと待つか、常緑樹として丈夫な葉を作って年中光合成するか、落葉樹として安価な葉を毎年生産するか……、それぞれの樹木を「生き残り戦略」の視点で明解に特徴づける。植物の世界も、案外、ダイナミックに動いてるのねー。2010/01/29
よしださいめい
0
書名にひかれる。 いろいろな樹木の話。 樹木の生命活動。 自然は繋がっている。 この本の著者の本をもう少し読みたいと思った。2013/10/16