内容説明
実習中にモグラが砂利から湧き出て、学生からあずかった子ヤモリが逃亡し、カヤネズミはミニ地球を破壊する。大好評先生シリーズ。ますますパワーアップする動物珍事件を、人間動物行動学の最先端の知見をちりばめながら、軽快に描きます。
目次
イタチを撃退するシマリスの子どもたち!―フェレットに手伝ってもらって見事に成功した実験
張りぼての威厳をかけたヤモリとの真夜中の決闘―「Yさんお帰り。ヤモリの世話?もちろん楽勝だったよ」
アカハライモリの子どもを探しつづけた深夜の1カ月―河川敷の草むらは、豊かな生物を育む命のゆりかごだった
ミニ地球を破壊する巨大(?)カヤネズミ―ほんとうは人間がカヤネズミの棲む地球を破壊している
この下には何か物凄いエネルギーをもった生命体がいる!―砂利の中から沸き出たモグラ
ヒヨドリは飛んでいった―鳥の心を探る実験を手伝ってほしかったのに…
著者等紹介
小林朋道[コバヤシトモミチ]
1958年岡山県生まれ。岡山大学理学部生物学科卒業。京都大学で理学博士取得。岡山県で高等学校に勤務後、2001年鳥取環境大学講師、2005年教授。専門は動物行動学、人間比較行動学。ヒトと自然の精神的なつながりについての研究や、水辺の絶滅危惧動物の保全活動に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
400
鳥取環境大学・小林朋道先生のシリーズの1冊。6つのトピックスを収録。タイトルはその最初のものから。ただし、科学者にあるまじき虚偽である。「子リスたちがイタチを攻撃」とあるが、事実は防御・防衛である。「攻撃の方がインパクトが強いですよ」などと編集者に唆されて従ったフリをしての確信犯かと思われる。読むにつけて、動物行動学のテーマは身近なところに無限にといっていいくらいにあるのだと感心する。もちろん、それを研究の域にまで高めるには、地道な努力と卓抜したアイディアが必要なのだけれど。2022/04/13
mae.dat
218
小動物を入手すると、必ずと言って良いほど(?)ヘビと対峙させて、その防衛行動を観察しますね。確かに様々な反応がありますけど( ¨̮ )。それに、鳥の認知能力侮れず!怪我して保護したヒヨドリが回復するにつけて、秩序のある図形を認識できるかの実験に参加して貰おうとするの。実験結果は気になる所ですが、鳥を連れての散歩中、他のヒヨドリと遭遇して行っちゃったんだよね。そのヒヨドリは怪我した時に寄り添っていた子と一緒なのでしょうかね(⸝⸝⸝ᵒ̴̶̷̥́ ᴗ ᵒ̴̶̷̣̥̀⸝⸝⸝)。2022/06/01
美登利
76
うぁ。私も先生と同じでミミズ恐怖症だわ。蛇やとかげの方がまだマシ。あの肌の色と形と、動きとか耐えられない。特に太いミミズ!噛むなどの危険は無いと分かっていてもさっさとその場から移動してくれないのも嫌だ。最後のヒヨドリの話にしんみり。2020/02/03
ホークス
45
2009年刊。小林氏のシリーズ第三弾。表題の子リスによる防御行動は本能的なもので、多くの生物に色んな形で見られる。個々の特殊さは、予め正しい結論など無い、自然淘汰の揺らぎの結果。本巻で強調されている河川敷の役割も、境界的で複雑な場として、特定の捕食者や災害から揺らぎの機会を守る事。ヨーロッパの森林破壊と日本の河川敷破壊は同根と思う。そう言う私も安全と便利さを享受している身だが。カラス等の鳥が、崩れた模様より秩序立った模様を選ぶのは興味深い。この習性が人間の美の感情と同じ基盤である、という学説は楽しい衝撃。2024/03/03
紫 綺
45
やっぱり小林教授、ユーモア&ちゃめっ気たっぷり!!読んでいて楽しい。私もイモリ大好き!いくら眺めてていても飽きません。カナヘビやヤモリとも良く遊びました。モグラ捕まえたことがありますし、イタチは最近見かけましたね。夜会社の帰り、城南宮の森から走り出てきたところに遭遇しました。いろんなところで、いろんな動物が生きてるんですね。知っていた動物が絶滅してしまうとやはり哀しい。2010/11/14