熱帯雨林で私がみたこと

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  • サイズ B6判/ページ数 290p/高さ 19X13cm
  • 商品コード 9784806710851
  • NDC分類 653.29
  • Cコード C0040

出版社内容情報

地球環境問題の「新しい古典」と称され、ロングセラーを続ける「IN THE RAINFOREST」の待望の邦訳。
アマゾン、赤道アフリカ、東南アジア……3年間にわたり世界の熱帯雨林の奥地にわけいり、取材・調査した女性ジャーナリストが見たものは何か。
地球上でもっとも古く、脆く、複雑で、豊かなエコシステムをもつ熱帯雨林の驚くべき生態---動物、植物、森の民の生活と、すさまじい勢いですすむ文明と開発の名の下での破壊。その歴史的、政治的、経済的背景を自然科学の該博な知識をもつ著者が静かな筆致でレポートする。

【書評再録】
●日本経済新聞評=3年間にわたって熱帯林の奥地を取材。豊富な科学技術の知識を生かしてその生態をまとめている。乱伐の進む現状と同時に、森林の破壊により生命を脅かされる先住民の生きざまを記録。何のための開発か考えさせられる本である。
●読売新聞評(1990年8月13日)=マレーシア・サラワク州の伐採の多くが日本向け輸出であるという事実の中で、われわれはまず熱帯雨林の本当の姿を知らねばなるまい。
●北海道新聞評(1990年7月30日)=著者はアメリカの著名な女性ジャーナリストで、世界各地の熱帯雨林を足しげく訪れている。こうした豊富な経験に基づいて、熱帯雨林の乱伐とそれに依拠する人々の生活の破壊の状況を克明に描き出している。また、熱帯雨林の複雑なメカニズムをわかりやすく解き明かしてくれてもいる。

【内容紹介】本書「訳者あとがき」より
 熱帯雨林の急速な破壊を含む、大規模な環境問題が脚光を浴びること事態は、たいへんけっこうなことである。多少、取り上げ方がセンセーショナルであったりもするが、ほんの数年前まで、熱帯雨林の破壊問題は、すくなくとも日本ではほとんど問題にされなかったことを思えばずいぶん変わったものだと思う。かくいう訳者も、この問題について知ったのはそんなに昔のことではないから、人のことはいえない。ただ新聞、雑誌やテレビでの報道は、紙面や時間の制約があるとはいえ、問題の概略を多少とも知っている人には物足りないことが多い。熱帯林の破壊問題が生態学、生物学、農学、気象学、さらには人類学や社会学などの知見を必要とする、たいへん奥の深いものだけに、ダイジェスト的な説明ではわかりにくい面がある。かといって、やたらに専門用語を使って解説されても困る。その点で本書は、相当突っ込んだ議論をしながら、文章が平易で具体例に即しているので、熱帯雨林の問題について少しくわしく知りたい人にすすめられる一冊である。原著はイギリス、米国各紙の書評欄で好意的な評価を受け、ベストセラーとなった。
 一読すればわかるように、本書はジャーナリストが陥りがちなセンセーショナリズムや性急さと無縁である。見たまま、聞いたままを淡々と書き連ね、事実をして自ずと語らしめる、そんなスタイルをとっている。著者はそのために3年間、熱帯雨林に分け入り、住民の声を聞き、足で歩いて取材を重ねた。熱帯雨林がどういうものなのか、体験を通じて丸ごと理解しようとしているので、森が生き生きと描かれている。これは本書の大きな特色のひとつであろう。
 第2に、熱帯雨林の破壊が、そこに昔から住んでいる人々にもっとも大きな打撃を与えることを強調しているのも、特色として挙げられる。熱帯雨林がこのままのペースでなくなっていけば、気象異変や海面上昇など、地球規模の問題が出てくることが予測されている。熱帯雨林そのものは、開発途上国に集中しているが、その破壊の影響は先進工業国にも等しく及ぶというので、欧米各国をはじめ、日本なども遅まきながら対策を検討するようになったのである。しかし熱帯雨林にもともと住んでいた先住民にとっては、森林の破壊はただちに生存を脅かすものである。このことが、先進工業国、開発途上国を問わず、まことに軽視されてきたことを著者は指摘する。そして逆に、何千年にもわたって熱帯雨林という非常に脆弱な環境に住みながら、生態系のバランスを崩さずに作物を育てたり、有用な動植物を見分ける高度な知識・技術をもつ先住民から、学ぶことがたくさんあるはずだとしている。いわゆる「開発」が、だれのため、何のために行なわれるのかが、本書で問われている。

【主要目次】
ブラジルの「ある町」/熱帯雨林とは/森の上に森がある/かぎりなき豊かさ/森に生きる/森の民の精緻な農業体系/木材貿易/熱帯雨林を「経営」する/「開拓」民たち/大地の恵み

内容説明

アマゾン、赤道アフリカ、東南アジア―3年間にわたり世界の熱帯雨林の奥地にわけいり、取材・調査した女性ジャーナリストが見たものは何か。地球上でもっとも古く、脆く、複雑で、豊かなエコシステムをもつ熱帯雨林のおどろくべき生態―動物、植物、森の民の生活―と、すさまじい勢いですすむ“文明”と“開発”の名の下での“破壊”。その歴史的、政治的、経済的背景を自然科学の該博な知識をもつ著者が静かな筆致でレポート。

目次

世界の熱帯雨林
日本の読者へ
1章 ブラジルの「ある町」
2章 熱帯雨林とは
3章 森の上に森がある
4章 かぎりなき豊かさ
5章 森に生きる
6章 森の民の精緻な農業体系
7章 木材貿易
8章 熱帯雨林を「経営」する
9章 「開拓」民たち
10章 大地の恵み

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

翔亀

38
【シリーズ森15】アマゾンの熱帯雨林を守る闘いを描いた「熱帯雨林の死」で、本書のことを「この生態系での注目に値する個人的探検を描いている」と推奨されていたので、現代のアマゾン熱帯雨林の探検ものだと思っていたら、あてが外れた。確かに熱帯雨林の生態系の基本はきっちり書かれており、熱帯雨林のお約束の樹幹(花をはじめ生物活動はほとんどここで行われる)にもロープで登っている。しかし降りることができずに「人前で恥をかくより華麗な転落死の方がましだと思い飛び降りた」(p104)!!。しかし森での冒険はこのくらいだ。↓2021/05/10

塩崎ツトム

2
池袋のジュンク堂で何気なく買ったら、値段の消費税が3%で、発行されたのが1992年だった。まあ、そういうことです。2015/12/26

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