内容説明
働き盛りの夫が若年認知症に。妻による介護の日々、そして家族の崩壊と再生を綴った物語。
目次
１ 花（越智俊二；越智須美子；結婚；娘；不満）
２ 波（事故；始まり；マイホーム；退職；お金；知らない人；告知；心配；トンネル）
３ 風（主夫；絵；台所；伝言；四千人；複雑；運転）
４ 道（普通；泣くって；ＴＶ；ふすま；明日の記憶；殺してくれ；失禁；友）
５ 月（バージンロード；字；海；展覧会；ショートステイ；私は誰？；最近；もしも）
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みんと
8
年齢や家族構成などからも人事とは思えず、胸に来るものがあった。 一家の大黒柱であるご主人が若年性アルツハイマーを患い、それからの奥様の苦しみ、悲しみ、葛藤、そしてご主人への愛情と様々な感情を思うと本当に辛くなる。 こんな時は、実の娘でさえ行き場のない感情を持て余し、思いやる余裕もなくしているのがわかる。 この中でも書かれているように、実際、家族の誰かがこのような事にならなければ、幸せというものには気付かないのかもしれない。2011/10/11
まこ
2
若年性認知症のご主人を介護された奥様のノンフィクションです。 認知症って当事者にとっても家族にとっても残酷な病気だと思いますが、どれだけの人が『もしも自分が当事者や関係者になったら…。』っていう視点でいるのか…。まだまだ認知度が低いと思いますがいいきっかけになる一冊だと思います。2010/06/04
Humbaba
2
夫が認知症になった。しかし、若い内からの認知症と言うのはなかなか周りから受け入れられることではない。それも、原因の一部には会社が関わっていそうであればなおのことである。介護を行う自分も苦しいが、それと同等以上に介護されている本人も苦しんでいる。2010/04/23
大楠
1
夫が認知症に…辛かったと思いますが、共に歩んでいった姿に涙がとまりませんでした。
ena
0
今、祖父と認知症の祖母と３人で暮らしていて、かなり共感して、図書館で泣くの一生懸命我慢した。ま、私の場合は、食事の準備とちょっと身の回りの世話してるだけで、日中は外にいるから大したことしてないけど。今、祖母は要介護３だけど、これからどんどん悪くなるんだろうな。若年症っていうのはさらにつらいと思う。何より、本人が一番つらいっていうのは、つい忘れそうになってしまう。そのことに思い出させてくれる。飾らない率直な文が本当に心に響く。流れに任せる。読みやすいし、おすすめ。2014/11/25
