内容説明
「フードファディズム」=食べ物や栄養が健康や病気に与える影響を過大に評価したり信じたりすること。適当な量を守り適切な食事法を行えば、ある食品を摂取した結果、急激に体によい/悪い状態になることはない。しかし、マスメディアを中心にそんなあやしい食情報が溢れる昨今、有益な情報のみを取捨選択するのは至難である。そこで、この概念を日本ではじめて紹介した著者が、メディアから身近な食品までを例にあげ、食情報の読み解き方や食と健康のあり方を提言する。
目次
第1章 「フードファディズム」とは何か
第2章 あふれる食情報との付き合い方
第3章 「健康食品」で健康は買えるか
第4章 マスメディアに見る食情報
第5章 宣伝トリックを見抜く目を
第6章 男も女も料理ができて一人前
第7章 「フードファディズム」に陥らない食事法
著者等紹介
高橋久仁子[タカハシクニコ]
群馬大学教育学部教授。1949年長野県生まれ。日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻を卒業。東北大学大学院農学研究科食糧化学専攻博士課程修了。農学博士。日本ではじめて「フードファディズム」の概念を紹介・翻訳。同時に、「食生活は女性役割」という社会通念の打破をめざし、教育学部で教鞭をふるう傍ら、多数の講演会で「フードファディズムに陥らない生活・食の男女共同参画」の普及に尽力している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kera1019
12
「健康」を商品として売る側の都合に合わせてテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、書籍、インターネットなど、あらゆるメディアに食情報が溢れてて何が良いのかわからなくなります。「商品を売るため」に「健康に良い」という情報をコンプライアンスに反してないというだけで、いい加減というか興味本位で表面的な情報が氾濫してることに驚きます。「考えること」を「誰かに」に任せてしまうことから脱却し、情報を精査することが自らの健康を管理することに繋がるし、QOLを楽しむ一歩になると実感しました。2014/10/21
円舞曲
8
メディアの惑わされない食生活を提案している内容。食育関係で知った本。2018/03/15
KAZOO
8
このフードファディズムという言葉をラジオ深夜便で聞いてもう少し詳しく知りたいと思い購入しました。今の食や健康食品に関する基本的な考え方が億書かれています。なぜもっとこのような本とかが話題にならないのかということもわかる感じがします。そのような会社(健康食品など)にとっては耳に痛いことが具体的に書かれています。マスコミなどもこの様な会社からの広告収入などが入ってこなくなるので取り上げないのでしょう。もう少しこの作者の書いたものを読んでみたいと感じました。2012/12/17
おおにし
7
要するに食べるだけで健康になるような食品は存在しないということ。普通の食事を毎日きちんと適量摂ることで、だれでもそこそこの健康は得られるのである。健康神話を信じるあまり、TVの健康番組のいうままに健康食品を次から次へと買いあさることは愚かなことだ。「テレビを見る時間が長い成人はメタボリック症候群になりやすい」という調査結果もでているそうで、健康づくりに王道なしということを肝に銘じたい。2011/12/17
ca324
4
著者の高橋氏は「フードファディズム=食べ物や栄養が健康や病気に与える影響を過大に評価したり信じたりすること」という概念を紹介した人物。植物性なら安全ととらえがちな考え方や○○という成分は体にいい!それが入っている!というコピーに対して、果たしてそれは本当に有効な分量を摂取可能なのか?という疑問を、データを元に分析がされていて、ちょうど同じようなことに疑問を抱いていたのでとてもすっきり。これって化粧品の成分表示等にも言えることですよね。結局のところ、何を食べるにしてもバランスが第一、なのだなと思いました。2015/07/02