内容説明
建築史がいかにして近代的な学問として成立したのか。建築史は何を手がかりに語られ、記述されてきたのか。建築史の課題は何で、どこへ向かおうとしているのか。―建築史はどのように役立つのか。“建築史家の仕事”を考える。
目次
第1章 近代的な学問の基盤
第2章 過去の編成
第3章 根拠
第4章 どのように役立つのか
第5章 歴史と理論
著者等紹介
リーチ,アンドリュー[リーチ,アンドリュー] [Leach,Andrew]
1976年ニュージーランド生まれ。ヴィクトリア大学ウェリントンを卒業後、同大学大学院修士課程修了。ゲント大学で博士号を取得し、現在、オーストラリアのグリフィス大学准教授
横手義洋[ヨコテヨシヒロ]
1970年鹿児島県生まれ。東京大学建築学科卒業後、同大学大学院で博士(工学)を取得。同大学助教、イェール大学研究員を経て、東京電機大学建築学科准教授。主著に『イタリア建築の中世主義』(中央公論美術出版、2009、建築史学会賞受賞)等(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たく庵
2
建築史学の対象設定・手法をウィトルウィルスの頃から順に追っている。歴史家が現代の設計者に与える影響について建築学の中で参照されるか、自己批判がなされるかなど興味深かった。 19世紀の西洋で社会学の影響から景観研究が進んだというのは、最近の日本の都市史研究にも重なるものに感じた。2021/11/03
重本厚志
1
建築史とは何かを理解したくて読みましたが、建築を学んでいない私にはかなり難解でした。それでも漠然とではあるが現在そして未来の建築の為の学問であることが理解できました。それと比較的新しい学問分野だと言うことも知れて良かった。2023/08/13
鵐窟庵
1
建築史の歴史と問題意識について記された本。多くの建築史家がどのように建築史を考えてきたのかがよく分かる。建築史家史とも言える。巻末に建築史家の簡潔な説明がまとめてあり、辞書的にも使うことができる。当然であるが、時代によって歴史記述の目的が変化し、それによって歴史の記述する対象も変化する。例えばギーディオンの時代に、フランプトンやフォーティの記述は全く理解されないと思われる、ということなど。2018/12/15