出版社内容情報
著者の多角的視点による考察と豊富な資料により、建築史と美術史はもとより、芸能史・技術史・地震史などの分野に建築史の立場から切りこんだ諸研究と、こうした研究をふまえた復原研究・復原設計を集大成する。
内容説明
建築史の研究で、復原考察と全く無関係な場合はむしろ少ないと言ってよいかもしれない。それほど復原検討は、建築史研究では重要なのである。著者は、設計者と力を合わせつつ、復原に関連した仕事の一端に参加する機会をいくつか得ることができた。本書に、復原研究と復原設計と題し、そのような例を収録することにした。
目次
第1編 建築の復原研究(二条城橋廊下・二階廊下・溜りの復原検討;幕末・明治初期に二条城本丸に存在した徳川慶喜の「居室」について;犬山城天守の創建年代と復原考察;大多喜城下町の復原研究;円通寺客殿の調査検討;埼玉県小川町吉田藤太郎家住宅の調査検討;総持寺倚松庵の復原検討)
第2編 建築と復原設計(足利学校の復原設計;旧染井能舞台の復原;出島オランダ商館の復原;三溪園旧原富太郎邸の復原;佐賀城天保度本丸御殿の復原;史跡等における建物復原の現状と課題)