内容説明
天皇は私どもの目の前に現存する大きな謎である。日本の謎であり、世界の謎である。この謎を解くための学問的努力は、戦後にかぎらず、明治時代にも江戸時代にも繰りかえされてきた。さかのぼれば、古事記も日本書紀も謎解きの書であったと言える。天皇制の盛衰と変形、その謎めいた存続と発展を語る時には、まず、その「起原」を知ることが必要となろう。
目次
序章 世界の謎―天皇
第1章 太古の日本列島
第2章 原始信仰と日本民俗学
第3章 天皇とシャーマン
第4章 呪術・宗教・科学
第5章 フレイザーとベネディクト
第6章 無私の天皇
第7章 神話と歴史
第8章 戦後派歴史家の天皇論
第9章 三島由紀夫の天皇観
第10章 天皇と大嘗祭の秘儀
第11章 天皇と宗教