首塚・胴塚・千人塚―日本人は敗者とどう向きあってきたのか

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  • サイズ B6判/ページ数 321,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784800307804
  • NDC分類 210.2
  • Cコード C0021

内容説明

なぜ、その場所に葬られたのか。大化の改新から西南戦争にいたるまで、近代以前の戦乱によって誕生した無数の死者たち。全国660ヵ所以上に確認できる、彼らの足跡を検証する。

目次

序章 「首塚」は、いかに語られてきたか
第1章 「大化の改新」と蘇我入鹿の首塚
第2章 「壬申の乱」をめぐる塚
第3章 平将門の首塚・胴塚
第4章 「一ノ谷合戦」の敗者と勝者
第5章 楠木正成・新田義貞の結末
第6章 「関ヶ原合戦」の敗者たち
第7章 「近代」への産みの苦しみ
終章 「客死」という悲劇

著者等紹介

室井康成[ムロイコウセイ]
1976年、東京都生まれ。総合研究大学院大学文化科学研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は民俗学、近現代東アジア民俗思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

姉勤

28
塚。全国に散らばる死者を祀るモニュメント。大化の改新にはじまり、壬申の乱、承平天慶の乱、源平の合戦、南北朝、戦国、幕末…西南戦争。討たれた対象者を中心に、日本史のダイジェストとしても読め、事変の起承転結がわかりやすい。全国に取材し、真偽さだからぬ、謂れ、エピソードも豊富。敗者に対する日本人のメンタルも垣間見る。2016/06/16

イノ

22
著者が実際に訪れ研究した全国の塚状の遺跡を巻末に一覧として掲載しているが、自宅のすぐ近くにもあって驚いた。本書は特に有名な大化改新、壬申の乱、平将門の塚、一の谷合戦、楠木正成・新田義貞の結末、関ヶ原合戦、佐賀の乱・西南戦争をテーマとして客死への日本人の憐憫の情から塚に託され語られる人々の戦死者に対する想いを見はるかす。更に言えば、その謂れを語り継いで来た人々が理想とする死者を故郷に戻すべきだと言う真意を明らかにする。具体的で有りながら日本人の深層に迫る興味深い一冊にだった。2016/01/11

dilettante_k

7
2015年刊。蘇我入鹿から西郷隆盛まで、戦死者、刑死者を慰霊した有名無名の首塚、胴塚、千人塚に関する歴史と伝承を辿り、「敗者」に向き合った人びとの心性を探る。同一人物に複数の塚が存在し、それぞれに曰くがあるなど錯綜している。著者は、事実関係より塚の場所性に着目して取材し、人びとが敗者を埋葬、顕彰した経緯や意図を検討したうえで、そこに込められた異郷で死んだ者への憐憫、畏怖、権勢・利益への期待などの所在を明らかにする。巻末には現存する650か所以上の塚をリストアップしており、古の死者たちとの意外な近さに驚く。2016/04/08

六点

5
旧京街道である府道京都守口線沿線には、首塚作成の最終期に近い鳥羽・伏見の戦いの戦死者の首塚がそこかしこに残り、周辺住民によって現代まで維持、供養されているのだが、何故か取り上げられていない。なんでだろ?2016/10/10

Ryu

4
好きな偉人さんが載ってましたのでそこだけですが。 こんな表紙ですが、首塚などの写真が載せられていて、資料としても悪くはないんじゃないでしょうか。 首を取られるまでのことがコンパクトにまとめられてました。知らなかったことなどが載っており、勉強になりました。更に興味を持ったのでそれに関しても調べてみます。2015/11/10

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