内容説明
「秋田美人」「きりたんぽ」「なまはげ」「秋田犬」などが連想されがちな秋田県―。しかし、県域は古くから縄文文化が栄え、稲作も二千年前から行われていた。南北朝期以降、浅利・小野寺・安東(秋田)氏など鎌倉以来の中小領主がしのぎを削る。関ヶ原合戦を機に、秋田氏などに代わって常陸の佐竹義宣が秋田地方に移封。県域の大部分を統治する秋田藩とその他の小藩が分立する形で、江戸時代を推移した。幕末には奥羽越列藩同盟軍から新政府軍に転じた秋田藩が同盟軍と交戦する。近代には鉱山業や林業・石油業が栄え、作家・学者・探検家などの人材を輩出する。本書では、魅力あふれる意外な秋田県の歴史を紹介する。
目次
第1章 秋田県の古代―蝦夷の地からヤマトの支配下へ(横手盆地は「鳥の海伝説」のようにかつて湖だったのか?;県内最古の土器が見つかった岩瀬遺跡は何を語る? ほか)
第2章 秋田県の鎌倉・室町時代―古代の終結を演出した秋田の国人たち(藤原泰衡はなぜ大館に逃亡した?;奥州合戦で滅んだ土豪、新たに進出した鎌倉御家人とは? ほか)
第3章 秋田県の戦国時代―中小領主のなかから秋田氏が戦国大名化(秋田戦国史に登場する「由利十二党」とは?;戦国時代の秋田県域にはどんな国人領主がいた? ほか)
第4章 秋田県の江戸時代―秋田藩の財政を支えた米、木材、鉱産物(常陸の佐竹義宣はなぜ、「秋田」に移された?;佐竹義宣はなぜ久保田(秋田市)に築城した? ほか)
第5章 秋田県の近代―官軍でありながら冷遇された秋田藩(「秋田県」はどうやって誕生した?;新政府転覆を企てたとされる「初岡敬治事件」とは? ほか)
著者等紹介
山本博文[ヤマモトヒロフミ]
1957年、岡山県生まれ。東京大学文学部国史学科卒業。文学博士。東京大学大学院情報学環・史料編纂所教授。専門は近世日本政治・外交史。『江戸お留守居役の日記』(読売新聞社、のち講談社学術文庫)で第40回日本エッセイストクラブ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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