内容説明
「インターネットは世論を反映している」という世界観が、いまだに社会にはびこっている。ネットで目立つ言論や、それに対する反応は、氷山の一角として飛び出した存在であり、海面下にはその何万倍もの人々がいる…そんな固定観念は、まったくの誤りなのだ。また、ネットが社会をつなぎ、「新しい価値を創造する」というのも嘘である。古色蒼然たる「ネット万能論」は害悪でしかない。本書は、「インターネットは無効である」ことを、さまざまな角度から点検していく。ネットユーザーの手前勝手な思い込みには疑問を呈し、ネットの声に必要以上に反応し、ありもしない価値を見出してしまう人々に対しては警鐘を鳴らすものである。
目次
序章 インターネットという島宇宙(再生回数で世論は推し量れない;ネットが革新的だと信じ込んでいいのか?;もの言わぬ沈黙の民 ほか)
第1章 僕たちが見ているものは何なのか(「氷山の一角」理論の嘘;ほとんどは「読むだけの人」(ROM専)
日本人に特有の時間の使い方)
第2章 亀の甲羅の中の人(次世代の党の誤算;ネットでは人気野党第1党;「もの言わぬ人」は沈黙でNOを示す ほか)
第3章 ネットは既存メディアの「反射空間」(不毛なニューメディアVSオールドメディア論;「バルス」を唱える仲間たち ほか)
第4章 「現実」と「仮想」のはざまで(「仮想空間」と「現実空間」の優劣論;電車男はネットを“卒業”しなければならなかった;ネットの差別的イメージ ほか)
終章 それでも「現実」を求める人間(Facebookとザッカーバーグ;電子や光が世界を駆け巡ろうとも…;冷酷と優しさ ほか)
著者等紹介
古谷経衡[フルヤツネヒラ]
著述家。NPO法人江東映像文化振興事業団理事長。1982年札幌市生まれ。立命館大学文学部史学科卒。インターネット問題からアニメ・映画評論まで、幅広い分野で執筆、講演活動などを行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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