内容説明
1946年2月13日に行われた日米会談―マッカーサー元帥の幕僚ホイットニー准将は、吉田茂外相以下日本政府メンバーに、突然、日本国憲法草案を手渡した。その後の懸命の交渉にも関わらず、この草案は、現在の日本国憲法の基となる。当時、多くの日本人はこの憲法を歓迎した。会談に同席していた白洲次郎は後に「この憲法は占領軍によって強制されたものであると明示すべきであった」と自身のエッセイに書いている。憲法制定の舞台裏で、どんな交渉があったのか?原典となる英文一次資料を丁寧に読み解く中で、憲法の原点が見えてくる。憲法を考えようという今、ルールメーキング論の立場から、憲法制定に新たな視点を与える1冊。
目次
第1章 登場人物(日本側の登場人物;米国側の登場人物)
第2章 降伏と改憲(7月26日ポツダム宣言の公表;8月14日宣言受諾の申し入れ;10月11日マッカーサーが改憲を示唆 ほか)
第3章 改憲への道(極東委員会メンバーの来日;GHQと作戦;2月1日のメモランダム ほか)
第4章 2月13日の会談(会談の流れ;二つの記録;誰に向けての会談記録か ほか)
第5章 ジープウェイ・レター(導入部;第2パラグラフ;第3パラグラフ ほか)
第6章 攻防(ホイットニーの返書;国務相のメモランダム;幣原首相の決断)
第7章 逆襲と敗退(草案「趣旨」の承認;なぜ明治憲法を基礎にできないのか?;改憲の発議の問題 ほか)
第8章 日本国憲法の成立(憲法要綱の公表まで―日本;独走の後始末―米国)
資料 GHQ草案1946年2月13日
著者等紹介
青木高夫[アオキタカオ]
本田技研工業(株)勤務。渉外業務において税制・通商など国内外の自動車産業に関わるルール作りに参画。海外営業時代は、豪州・英国に駐在し大洋州・中近東・北中欧での販社開発・企業合併を多国籍部門のマネジメントを通じて行う。この間、海外でのレース活動にも関与した。専修大学(大学院)にて、そうした経験を基礎として主に産業政策論を講じている。また、業務や講義に関連する欧米のビジネス書を発掘・翻訳。1956年、東京都出身(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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