内容説明
新たな労働運動の黎明―孤立するマイノリティ労働者たちの紐帯を目指して。不安定な雇用、慣れない言語、権利を求めるための法や制度も未整備―労働のグローバル化によって増加した外国人労働者たちが苦境にさらされ孤立している。「個人」を単位として組織化されるマルチナショナルな労働組織を対象とし、多様なエスニシティを包摂する組織がいかに人々を動員し、権利獲得に向けた運動へと結びつけているのか、その実態と課題を明らかにする。
目次
序章 問題意識と研究の背景
第1章 労働のグローバル化と組合運動をめぐる先行研究
第2章 本書の課題と分析視角
第3章 GUの組織構造、組合員、組織形成の過程
第4章 インフォーマル・ネットワーク活用戦略による新規メンバーの動員構造
第5章 組合員による活動参加と集合財供給
第6章 ホスト社会からの支持動員のためのフレーム調整と正当性付与
終章 結論―多国籍な社会における新たな運動の時代に向けて
著者等紹介
中根多惠[ナカネタエ]
1986年、愛知県生まれ。愛知県立芸術大学音楽学部(教養教育等)准教授。博士(社会学)。専攻は労働社会学、社会運動論。南山大学外国語学部英米学科卒。2011年、名古屋大学大学院環境学研究科博士課程単位等認定(満了)。日本学術振興会特別研究員(DC1)、名古屋大学文学部および同大学大学院環境学研究科助教を経て、2017年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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