内容説明
日本の博士号取得者のうち、常勤研究職に就けぬ「ポストドクター」の数は近年ますます増加し、すでに2万人を超えている。その多くは研究への熱い情熱を抱きながらも、不安定な生活のうちに呻吟している。今や「ポスドク問題」は本人の問題だけでなく、貴重な人材を活用できぬ国家の一大損失ともなっている。本書は、ポスドク問題の経緯と現状に関し、詳細な調査のもと諸外国との比較も交え、その深部にまでメスを入れている。若手研究者育成の見地から、解決へ向け具体的に考察を展開した、関係者必読の本格的研究である。
目次
第1部 日本のポスドク制度の現状と課題(大学院拡充化問題と大学教授職の推移;ポスドク制度の起源と発展;「雇用型ポスドク制度」の現状と課題―文部科学省の全国調査を中心に;首都圏のポスドク制度―関東地域の大学・大学院へのアンケート調査の結果;人文・社会系分野における「ポスドク問題」;ポスドク・キャリア支援の現状と課題;各大学のポスドク・キャリア支援の現状と課題;わが国の「ポスドク問題」の総括)
第2部 諸外国のポスドク制度の現状と課題(アメリカの高等教育事情と研究開発費;アメリカのポスドク制度の現状と課題;アメリカのポスドク・キャリア支援の現状と課題;諸外国のポスドク制度)
ポスドクに求められる新たな研究者資質―若手研究者・教育者養成の観点から
著者等紹介
北野秋男[キタノアキオ]
1955年、富山県に生まれる。日本大学文理学部教授・日本大学大学院総合社会情報研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ishida Satoshi