新風舎文庫
阿部定事件―愛と性の果てに

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  • サイズ 文庫判/ページ数 222p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784797495317
  • NDC分類 326.23
  • Cコード C0195

内容説明

「愛するがゆえに、愛する男のからだの一部を切りとった」二・二六事件が勃発し軍靴の響きが音高く国民に迫りつつあった昭和十一年、愛人関係にあった男を扼殺し、外陰部を切りとって持ち歩くという事件が発生した。その猟奇的犯行により犯人の阿部定は大衆の注目を一身に集める。彼女をそのような犯行に追いやったものは果たしてなんだったのか。大宅壮一ノンフィクション賞受賞作家、伊佐千尋が「阿部定事件予審調書」を基に、当時の非情な社会状況を読み解き、事件の真相という次元にとどまらない「真実」へ迫る。

目次

第1章 暗い世相
第2章 興奮禁止令
第3章 予審
第4章 世に誨う
第5章 その後の定と竹内弁護人
「宇和島の女」―あとがきに代えて

著者等紹介

伊佐千尋[イサチヒロ]
1929年東京生まれ。78年デビュー作『逆転』で第9回大宅壮一ノンフィクション賞受賞を機に実業界から作家に転じ、82年「陪審裁判を考える会」を発足、各地に司法改革の灯を点じた
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感想・レビュー

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うたまる

0
「結局、石田を殺して、永遠に自分のものにする外ない、と決心したわけです」……女性の殺人犯としては林真須美や福田和子を凌ぐ日本一の有名人。しかし丹念にその調書を辿ってみても、”稀代の妖婦”や”大淫婦”の姿は見えてこない。本書で見出せたのは、メディアの玩具となって虚像を数十倍に膨らませた業深き女の人生だけだった。愛人の逸物を切り落とし所持していた、ということが、メディアの連中にとっては嬉しくて嬉しくて仕方なかったのだろう。アホ臭い。尚、後日譚たる第五章と前借金契約無効の歴史を描くあとがきが頗る良かった。2015/03/03

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