内容説明
若い希望に燃えて、癌の分野で国際的に有名な国立O大学の高木教授の医局に入った二年目の研修医本木は、あろうことか、手術中に右の乳癌を左と取り違える重大なミスを犯してしまった。仕方なく、執刀医の高木教授は両方の乳房を切り、ミスが外部に漏れることがないよう左の乳房にも癌があったことにし、箝口令を敷く。「すまないことをした、正直に森田さんに謝ろう」―二週間後、自らの過ちに激しく煩悶する本木のもとに病理診断の結果が届く。“左はごく微小な組織内癌で、両方とも乳癌”。ミスが一転、功績に変わってしまったとほっとする本木、安心して外科学会長選挙の票取りに奔走する高木。しかし、それは巧妙に仕組まれた罠だった…。もみ消される数々の医療ミス。命の重みを忘れた大学病院の内情を現役外科医が告発する衝撃度No.1のサスペンス。第22回新風舎出版賞フィクション部門最優秀賞受賞作品。
著者等紹介
霧村悠康[キリムラハルヤス]
大阪大学医学部卒業。『摘出―つくられた癌』で、第22回新風舎出版賞フィクション部門最優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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GASHOW
4
乳ガンの左右を間違えて、両方を摘出してしまった話。どちらも癌であれば、問題とならないと画策する。それができてしまう現実と内部告白などは、現実に起こり得る内容だ。シンプルな話なので、400ページのボリュームも感じさせない。間違えられたくないなぁ。2015/12/25
ホレイシア
4
医療ミスというテーマはともかく、まず文章がメタメタ。幾ら本職がお医者さんでも限度というものはある。医療ものでなかったら確実に途中で放り出しだ、そんな代物。2008/05/08
おかめ
1
こういう取り違えのニュースとか、たまにあるから怖い。製薬会社とかもね。2018/04/24
RIN
1
医療物は海堂さん、以外はじめて。実の母が大病にて、今年から大学病院に入院中、その時ふと、めについたので、購入。内容は。。嫌だなぁ。って思った。でも、大学病院という大きなシステムについては、理解出来て良かった!2013/06/24
ノメ
1
医療ミスを対策するどころか出世競争に利用する。どの分野でも足を引っ張るのはNo.2か・・・2013/05/27