内容説明
アメリカが世界各地の紛争に対応するための最新鋭機が、新型垂直離着陸輸送機、V‐22オスプレイである。初の海外配置として、日本への配備も始まった。ティルトローター方式の画期的な飛行性能をもつ半面、開発が難航し、多数の事故を起こしているのもまた事実。そこで本書では、技術的解説はもちろんのこと、その実力から安全性までを多角的に検証していく。
目次
第1章 V‐22オスプレイとは
第2章 オスプレイのメカニズム
第3章 オスプレイの開発
第4章 オペレーターと作戦能力
第5章 日本でのオスプレイ
第6章 オスプレイの安全性
第7章 転換型航空機の歴史
著者等紹介
青木謙知[アオキヨシトモ]
1954年12月、北海道札幌市生まれ。1977年3月、立教大学社会学部卒業。同年4月、航空雑誌出版社「航空ジャーナル社」に編集者/記者として入社。1984年1月、月刊『航空ジャーナル』の編集長に就任。1988年6月、月刊『航空ジャーナル』廃刊にともない、フリーの航空・軍事ジャーナリストとなる。航空専門誌などへの寄稿だけでなく新聞、週刊誌、通信社などにも航空・軍事問題に関するコメントを寄せている。日本テレビ客員解説員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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禿童子
27
エンジン1発停止状態でも片方のエンジンの推力を停止側に1部送ることができるトランスミッションがあるので、ローターは両方が回転できるとか。それならオートローテーションができなくても大丈夫なのか。エンジンが両方とも停止する状態は想定していないんだろうね。それ以外にも地面効果が利用できない。なぜなら、固定翼のために十分なダウンウォッシュが得られないから。など、飛行制御則なしには操縦が難しい機体であるのは変わらないか。航続距離と速度の点で海兵隊がどうしても欲しい機種ではあります。2020/02/20
文章で飯を食う
7
再読。どうにも、今後、発展する気がしない。性能は素晴らしいが金額もすごい。軍とか海上保安庁とか、特殊な需要しかないのでは。2016/01/17
モモのすけ
7
旬なので。オスプレイって「ミサゴ」のことだったのね。V-22は是非海自のDDHに載せてほしい。「事故が起きない航空機をつくることはできません」2012/10/23
文章で飯を食う
3
垂直離着陸機は、ずっと夢だった。しかし、残念な登場である。このままでは、発展無しで終わりそうだ。2014/10/22
ななみ
3
ただ恐怖感だけが煽られ、その実像に触れられることはめったにないオカルトのような航空機・オスプレイの貴重な解説本。ヘリのように離陸し、飛行機のように飛ぶ性能の高さにはびっくり。2,000km以上離れた海上で遭難した船までわずか5.5時間で到達し、救出活動を行って無事帰投したという訓練での実績、旧式機の4倍以上先まで展開できる能力、どれを取っても味方には有利、敵には脅威となりそう。事故が多いという定説も、中身まできちんと検討してのものなのかどうか。それを知るだけでも本書の価値は十分あり。2012/12/27