ソフトバンク新書
「プライバシー」の哲学

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  • サイズ 新書判/ページ数 215p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784797341041
  • NDC分類 316.1
  • Cコード C0295

内容説明

人々の意識がかつてないほど「プライバシー」の保護に敏感になるとともに、現在、カタカナ語の「プライバシー」は、原語の持つ意味をはるかに超えて、カバー領域を広げつつある。もはや、単一の定義を与えることすら難しい。実はこのことが、現代社会を悩ませる多種多様な「プライバシー」問題の根っこにある。時代の変化に伴って自在に形を変え、捉えどころのないこの難物に、哲学者・仲正が斬り込んだ!―「プライバシー」を「哲学」するための格好の入門書。

目次

第1章 「プライバシー」とは何か?(「プライバシー」の意味;「プライバシー」と「プライベート」 ほか)
第2章 近代的「公共性」の成立と「プライバシー」(「人間の条件」としての「公共性」;「公共性」を支える「私秘性」 ほか)
第3章 プライバシーの法理(「プライバシー権」の起源;もう一つの「プライバシー権」=「自己決定権」 ほか)
第4章 「プライバシー」をめぐる抗争(「家」の政治性;「プライバシー権」とフェミニズム ほか)
第5章 プライバシーの“本質”(「私秘性」の意味;「プライバシー」と「自己」 ほか)

著者等紹介

仲正昌樹[ナカマサマサキ]
1963年広島生まれ。東京大学総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。金沢大学法学部教授。専攻は、政治思想史、比較文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

32
パブリック=良い、プライベート=悪いを前提に、分割線をどのように動かすのかという議論が行なわれてきました。プライベートの領域は所有の概念と関係があります。妻や子供を潜在的な所有と考えるプライベートの政治性は批判の対象になってきました。他方プライベートの解体は、行き過ぎると共産主義的な共有や身体の喪失からのまた違った形での暴力に曝される懸念があります。この議論の難点は、自己決定権のリバタリアニズムがプライバシーを肯定する立場なのに対して、弱者を保護するリベラル的なプライベート概念が対立するところにあります。2019/02/23

うえ

5
「神やお天道様に見られていると心から信じている(つもりの)人がごく少数になった社会、近代市民社会では人間が明らさまに自らの手で法を作って、違反したものに見せしめの刑を与えて、人為的に秩序を保つことが必要になった。人間自身が神の代わりになったのである」「民主主義は、人々が自発的に全体に同化する全体主義に陥る危険がある」「ポストモダン左派の人たちは、主として公安警察や総務省…防犯ボランティアなどをプライバシー侵害者として念頭に置いており、これらの勢力を封じ込めさえすれば…侵害は起こらないと考えているふしがある2015/08/01

gerumanium

2
最近はやたら新書で特定の人物の思想本を書くことが多い筆者だが、本書は2007年にプライバシーについて書いた本である。内容はプライバシーの概念の起源や変遷を簡単にまとめた上で、現代的な問題と絡め社会的な分析によって問題を明確にしている。アーレントやミル、フーコーなどの著作に興味があるけれどもまだ手を出していない人は本書をきっかけに読むのがいいのかもしれない。2010/11/17

ステビア

1
プライバシーに関する議論っていろいろあるけど、ほどほどがいいんじゃね?って話。2012/10/25

kinonis

1
レポート用に参考図書。俗っぽくなくて良かった2011/10/26

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