非行少年の消滅―個性神話と少年犯罪

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  • サイズ A5判/ページ数 335,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784797222746
  • NDC分類 368.7
  • Cコード C3336

内容説明

本書は、近年の日本に見受けられる少年犯罪の特徴を、後期近代社会に特有の社会的性格の表われとして論じたものである。現在の少年たちが置かれている社会的状況の分析に研究の焦点を絞り、その状況を創出しているメカニズムの解明をとおして、この時代に特有の少年犯罪の性質を探るものである。

目次

1 少年犯罪をめぐる虚と実(「少年犯罪の凶悪化」言説の妥当性;非行キャリアの崩壊と暴発型犯罪;衝動化する少年たちの社会的性格 ほか)
2 「自分らしさ」を煽る社会(「個性的な自分」という強迫衝動;集団主義の残滓としての個性主義;「個性」という教育アスピレーション ほか)
3 非行少年の消滅と少年法(少年司法における適正手続と厳罰化;犯罪被害者の焦点化と少年法改正;非行少年というリアリティの崩壊 ほか)

著者等紹介

土井隆義[ドイタカヨシ]
1960年、山口県生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程中退。現在、筑波大学社会科学系助教授。社会学専攻
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感想・レビュー

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たろーたん

2
著者曰く、少年犯罪は凶悪化しているというよりも稚拙化している。非行文化で動機の語彙や犯罪方法を学ぶ機会は現在では殆どなく、集団心理や人間関係の軋轢から幼児的な癇癪を起こし、言語化できず暴発的に犯罪を犯す者が多い。それを著者はルサンチマンに対する怒りからの「熱い犯罪」から、付和雷同的にやってしまい、被害者は誰でもよい「冷たい犯罪」へと変化したと指摘。少年院や鑑別所においても、収容される少年は非行キャリアがなく、不良としての信念体系が出来ていない者ばかりで、矯正というよりも性格の幼い子に対して行う教育に近い。2018/11/04

愛奈 穂佳(あいだ ほのか)

1
【ココロの琴線に触れたコトバ】第3章で触れた浜崎あゆみは、これも自らが作詞した「Trauma」のなかで、「幸せの基準はいつも自分のものさしで決めてきたから…」と歌っている。ここには、個性的に生きることを切に願う人間のすがたがある。彼女の事を「関心が他人ではなく、ひたすら自己演出に向かう自分マニア」だと二本末泰子が語っているのは示唆的である。2015/11/17

MrO

0
表紙のエッシャーが印象的。どうすればこの閉塞を突破できるのか2010/05/27

たぬき

0
ほあっとした自我 個性的な自分という強迫観念2009/10/27

muko1610

0
★★★★2008/09/27

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