内容説明
E.H.カーの名著『歴史とは何か』が、日本で刊行されてから50年。いまなお読み継がれているこの名著を手掛かりに、半世紀に及ぶこの間の歴史学の変貌と現在の歴史をめぐる諸問題について三人の研究者が徹底討論。
目次
第1部 歴史家にとって「事実」とは何か(E.H.#カー『歴史とは何か』刊行から50年;「事実とは何か」という問題をめぐって ほか)
第2部 方法としての社会史(戦後歴史学とは何だったのか;転機としての朝鮮戦争 ほか)
第3部 日本の近現代史はどのように描かれてきたか(通史をめぐって;五五年体制下での歴史叙述 ほか)
第4部 ナショナル・ヒストリーを超えて(喩法論の観点から;歴史意識の危機 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
8
E・ H・カーの書かと思い購入したが基本は対談でカーのことはあまり出てこない。いわゆる歴史学徒のよくいうアナール学派の今の世代は面白くない、それと決別するような本を我々は作ったとかいう雑談などなど。話も必ずしも噛み合っているとは言いがたいように思われる。「成田 喜安さんは網野さんの叙述に目を向けて問題を抽出され、それを方法的な問題だと言われたわけですね。叙述のなかにこそ、あるいは叙述という行為にこそ、歴史学の実践があると。」2020/10/04
ik
1
カーを見直しながら歴史叙述の方法について議論してゆく対談録。歴史にとって事実とは何か、またそれをいかに語るかについてを様々な角度から見ていくのだが、過去の研究をふんだんに紹介しつつすらすらと進んでいくので専門用語も多いものの読みやすい。非常に濃厚で戦後の歴史学や社会学の流れを知る契機として大変参考になった2013/11/21
nstnykk9814
0
14年4月読了。50年前の名著「歴史とは何か」を切り口に、東日本大震災後の日本の歴史家3人が対談した本。久しぶりに史学科日本史専攻・近現代史の血が騒ぐ内容だった。
双海(ふたみ)
0
たまには自分の専攻分野の本も・・・ということで借りて読みました。2012/12/14
kaigarayama
0
再度、カーやブローデル、網野善彦を読んでみようと思う。2012/08/21