内容説明
インタビューとは何だろうか?これまではインタビュアーだけに焦点がおかれ、回答者から信頼性と妥当性をもった情報を引き出すことだけが問題にされてきた。本書、『アクティヴ・インタビュー』は、インタビュアーだけでなく、回答者自身もインタビューというアクティヴな相互行為に参加しており、両方とも「ナラティヴ=物語」の協同制作者であることを明らかにする。社会構築主義的なインタビュー論として、理論的な問題をカバーするだけでなく社会調査の実践に最適な入門書。
目次
1 はじめに
2 アクティヴ・インタビューを遠近法的に考える
3 回答者の適性の割り当てと回答者の選択
4 語りのリソース
5 アクティヴなインタビュアー
6 インタビュー内部での意味構築
7 多声性と多元的回答者
8 インタビュー手続きの再考
著者等紹介
山田富秋[ヤマダトミアキ]
1955年生まれ。京都精華大学人文学部教員。博士(文学)。社会学、エスノメソロジー専攻。現在、健康とケアをフィールドとしたアクティヴ・インタビューの実践を目指している
兼子一[カネコハジメ]
1968年生まれ。龍谷大学短期大学部講師(非常勤)。社会学専攻。研究領域は、社会学理論、エスノメソドロジー、宗教社会学、文化社会学、質的調査法への情報技術の応用。現在、「宗教」的行動を軸に情報技術が人々の社会生活に与える影響を研究している
倉石一郎[クライシイチロウ]
1970年生まれ。東京外国語大学外国語学部助教授。博士(人間・環境学)。教育社会学、差別・マイノリティ研究。現在、1950年代にまでさかのぼって同和教育(解放教育)の歴史を再構成する作業に関心を寄せている
矢原隆行[ヤハラタカユキ]
1968年生まれ。福山市立女子短期大学教員。社会システム論、臨床社会学。現在の関心は、男性ケア労働をめぐる職業・性・感情、コミュニケーションとしての社会調査など
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