原発放浪記―全国の原発を12年間渡り歩いた元作業員の手記

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  • サイズ B6判/ページ数 255p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784796685351
  • NDC分類 543.5
  • Cコード C0095

内容説明

被曝の対価は日当1万円。刺青者から元銀行員まで、好漢、悪漢入り混じった同僚たち。命じられた高放射線エリアへの突入、理不尽な解雇通告、ガン発症…。福島第一原発から浜岡原発まで、原発ジプシー自身が書く原発作業員の生き様。

目次

第1章 高放射線エリアへの突入(放射性物質の発する「熱」と「匂い」;安全教育という名のマインドコントロール ほか)
第2章 放浪生活から原発へ(原子力発電所での経験はあるんかね?;寮生活での家族的な待遇 ほか)
第3章 「浜岡原発」下請け社会(会社を退職してタイに渡る;昔の仲間からの思いがけない電話 ほか)
第4章 原発労働者の生活(浜岡原発前のじゃぱゆきさん伝説;中古のパソコンを購入してホームページを始める ほか)
第5章 解雇、籠城、ガン(雇用保険への加入を求めたら「解雇通告」;会社の寮で1カ月余り籠城する ほか)

著者等紹介

川上武志[カワカミタケシ]
30代の頃に7年近く各地での原発労働に従事し、2003年8月10日から08年9月6日までの5年間余り、中部電力浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)で一労働者として従事した。現在は同市に居住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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遅筆堂

22
全体の最後の2割で原発に対して批判的になる。原発ジプシーにとっては必要悪といったもの。しかし、解雇と癌発症をきっかけで反原発に転換。半分が、我が家から16kmの所にある浜岡原発でのこと。中部電力のその姿勢は東京電力と変わらない。危険を承知しているから、協力企業に押しつける。全炉停止になっているが、だからと言って安心ではない。燃料棒が6000本以上ある。津波だけではない、地震そのものの設備損傷しないわけはない。この本に出てくる風景はとても身近。だから余計に怖い。正気の沙汰ではない。2011/12/18

kinkin

16
著者が全国の原発の作業員として体験したことが綴られている。今、福島では高レベルの放射線の中、除染や修復工事が進められているが、そこで働く作業員はかなり過酷な労働を強いられていると聞く。名も知れぬ作業員が日々原発と格闘していると思うと胸が痛む。原発の危険性は著者が各地の原発を巡っていた頃からその危険性はすでに認知されていたように思う。一大プラントとして国ぐるみで地震国日本に多数の原発を造った責任は大きい。2014/04/10

秋 眉雄

14
現場からじかに届けられる生の声というのは、学者の書いたものや評論家などが現場の声を拾い上げたものなどと同様か、或いはそれ以上に大切ものだと思います。しかし、それらの数は案外と少ないだけに貴重なものですよね。この本にもとても大事なことが書かれていると思いました。2018/05/04

ヨータン

9
面白かったです。原発関連の本って今まで何冊か読みましたが、難し過ぎてほとんど挫折。でもこの本は実際に全国各地の原発で働いてきた人が書いたものなので、原発の現場の劣悪な環境や原発の怖さが生々しく伝わってきて、ぐいぐいと引き込まれていきました。2013/12/03

ひとまろ

3
風来坊な放浪者だった著者が 沖縄に行くための資金稼ぎのつもりで アルバイトに応募したらそこは原発労働だった。 それからあちこちの原発プラント建設や 原発作業を繰り返す。 独特な生き方で話に引き込まれる。 ウラ話なんかもありかなり面白かった。 2013/08/04

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