出版社内容情報
「ライトノベル的にキャラが立ち、バディものとしても秀逸」大森望(評論家)。第8回『このミス』大賞から生まれた文庫書き下ろし、江戸人情捕物帖です!
本所深川で献上品の売買を行なう、献残屋の手代として働く周吉は、狐の姿をした魔物・オサキに憑かれたオサキモチ。懐にいるオサキに、油揚げをねだられる日々を過ごしていた。ある日、店の一人娘・お琴が行方知らずに。周吉とオサキは、彼女を捜しに江戸の闇に出て行く――。
内容説明
江戸・本所深川で、献上品の売買を行う、献残屋の手代として働く周吉。彼はオサキという妖狐に憑かれたオサキモチであり、いつも懐にいるオサキに、恋に仕事にと、やることなすことからかわれている。ある夜、辻斬りに襲われ、殺人も起きる中、店の一人娘・お琴がいなくなった。周吉はオサキモチの不思議な力を使い、お琴を捜しに夜の町へ出て行く。おとぼけ手代と妖狐一匹の妖怪時代劇。
著者等紹介
高橋由太[タカハシユタ]
1972年、千葉県生まれ。『新・本格推理』(光文社)掲載を経て、『もののけ本所深川事件帖 オサキ江戸へ』で第8回『このミステリーがすごい!』大賞隠し玉としてデビュー。埼玉県在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nyanco
105
オサキと周吉のコンビがイイ感じ。蜘蛛之介、佐平次、お箏、旦那さん…とキャラが良いのに物語はぼんやりした感じ。何だかフィルター越しに見ている感じがして、いまひとつ、物語に入って行けない。選評で指摘された改行と一行あけを多用した文体…も気になる。構成力、文体、共にまだまだ稚拙さが目立つ。献上品の売買を行なう献残屋という設定が生かし切れていないのが残念。課題はいくつもあるのですが設定とキャラは実に良いものをお持ちだと思います。、来月にでる続巻で課題をクリアしてくるのか、とても楽しみです。続→2010/09/22
はらぺこ
91
お手頃価格やからか物足りない気はしましたが雰囲気とか好きです。特に蜘蛛ノ介が技の名前を言うのが古き良きチャンバラや少年マンガっぽくて好き。 「波落戸」にルビは振ってましたっけ?前に戻るのがメンドイんで無理矢理「ハロルド」当てて読み進めました。先程、検索してみたら「ならずもの」でした。1つ賢くなった気がします。 2011/06/27
ちはや@灯れ松明の火
70
花のお江戸は本所深川、人から人へ語り継がれる七不思議。類が友を呼ぶのなら不思議は不思議を連れて来る。鬼が死体を喰う鬼寺、暗闇から襲いかかる辻斬り槍突き、団子屋に出没する謎の剣の達人、稲荷神社の首吊り死体、神隠しならぬ鬼隠し、付喪神犇めく献残屋、そして若き手代の懐に潜む妖狐オサキ。何より不思議は取り憑く妖怪と憑かれる人間とが育んだ支え合う絆。寄生というより共存共栄、友であり家族、オサキとオサキモチの持ちつ持たれつ腐れ縁。今宵も鬼が闊歩する。平和な日々を守るため知恵と力を持ち寄って一人と一匹が疾駆する。2010/10/05
みーちゃん
68
この本では、周吉というオサキモチと、オサキという、妖狐が、いろいろな事件を協力して解決していく話です。 周吉とオサキの、友情がよく伝わります。自分にも、こういういつも一緒にいて、助け合えて、一緒にいて楽しいと思える人や、妖狐がいてほしいなぁと思いました。そして、最後に分かる、複数の事件を起こした犯人が予想外で、びっくりしました!面白かったです。2020/04/15
hirune
60
白狐の妖怪で役に立つけど小生意気で懐に入れて携帯可能。オサキ可愛い♪最高ですね。語り口はまるで落語のように軽いんだけど、意外と事件は剣呑な辻斬りだったりホラーな和製ゾンビだったり。ほら、舞台は何でもありの妖怪が跋扈する江戸だから。主人公周吉はのんびりした平和な性格なのに、犯人たちは自分の心の闇に負けてやらかしていく、迷惑な話しですよねー。やたら強い団子好きのお侍のじいさんがカッコよかった☆2016/06/22