涙の理由―人はなぜ涙を流すのか

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784796664417
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

内容説明

小説家と脳科学者が涙について考えた。「涙を流すとき、脳では何が起こっているんだろう」。小説家と脳科学者の涙の理由を探す旅が始まる。

目次

第1章 TVで見た悲しい事件に怒りを覚える理由(重松清作品とやるせなさ;小説は「社会に対するお土産」 ほか)
第2章 「涙」は「さんずいに戻る」と書く(人はなぜ悲しいと涙を流すのだろう;もし、涙が指先から滴るものだったら ほか)
第3章 有限の生しか持ちえない私達ができること(対論「涙の理由」;文学の中にある「涙の理由」の本質 ほか)
第4章 それぞれの時代の涙(涙は感染するのだろうか;「歌舞伎の涙」と「男の涙」 ほか)
第5章 いつか「自分だけの涙」を流すために(イチローの涙と清原の涙;涙の所有権 ほか)

著者等紹介

重松清[シゲマツキヨシ]
作家。1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。出版社勤務を経て、フリーライターに。91年『ビフォア・ラン』で作家デビュー。99年『ナイフ』で第14回坪田譲治文学賞、『エイジ』で第12回山本周五郎賞を受賞。2001年『ビタミンF』で第124回直木賞受賞。ルポルタージュ、時評、評論など小説以外のジャンルでの執筆活動も高い評価を受けている

茂木健一郎[モギケンイチロウ]
脳科学者。1962年東京生まれ。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー、東京工業大学大学院連携教授、東京藝術大学非常勤講師。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院、理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職。「クオリア」をキーワードとして脳と心の関係を研究するとともに、文芸評論、美術評論にも取り組む。『脳と仮想』で、第4回小林秀雄賞を受賞。NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』キャスター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さおり

46
重松さんも茂木さんも好きなので読んでみました。私、「泣いた赤鬼」を何冊も持っていて、あれを読むと必ず泣くのだけれど、重松さんも同じと知り、だから重松さんの本で泣くのかなぁと思った。興味深いことがたくさん書いてあっておもしろい本だったけど、セカチュー(及びあれで泣く読者)がそこまで言うかと思うほどディスられてました。そして、自分だけの涙、かぁ。読メをしててわかったことだけど、どうやら私は人が泣かないとこで号泣するし、みんなが泣くとこでしれっとしてるみたいなので、良いんだか悪いんだか現代人らしくはないのかも。2019/09/07

ぽてち

29
再読。涙がポピュラーなものになりつつある現代。某有名漫画で泣けないからって非人間的ではないのだ。パーソナルな涙には人生が濃縮している。2020/03/16

26
「涙」について対談でこれだけ難しいことを話している茂木さんと重松さんがすごい。ただただ感情の表現の一部として「泣くこと」「涙」があると思っていたけれど、違うみたい。「自分のための涙」という考え方になるほど、と納得した。様々な努力や葛藤や、過程があって流す涙が自分の中には1回しかないなあとちょっと残念。漫然とではなく、もっとちゃんと生きないといけないな・・・2016/12/15

大門寺豪徳

25
最近泣いてないなと思ったことがきっかけで古書店でたまたま見つけて購入。もっとシンプルに涙を語るのかと思ったが、結論にいくまでの対話が広がり涙の深さというか泣くことのプロセスというか、今まで自分が流した涙はどうなんだ?と分析しだしてしまった。途中で何だかもっとシンプルに泣きたいときに泣けばいいんじゃないかと思ってきたが最後まで読むと、結論までの対話の大切さが少しわかった気がする。もう少し勇気を出して色々経験して自分だけの忘れられない涙を流せたらいいなと思う。きっとその時の涙はかなりしょっぱいだろうな。2015/06/21

chimako

25
「何にでも理由付けしなくてもいいんじゃないの?」と感じながら読み始めましたが、最終章はとても興味深く拙い読者である自身にも思い当たることが多く「なるほど」でした。喜怒哀楽が薄くなっている(重松氏は弱くなっていると言っている)のは感じていた事でもあるし、横書きの同じ事ばかりか書かれている小説を読んで「めっちゃ泣けた」という中学生を見ていて、人生の経験値がすごく低くなっているなぁと思っていた矢先のこの一冊。自分だけの涙を流すことができる大人にならなければと痛感した次第であります。2013/07/07

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