内容説明
一生結婚できない正社員、食費月1万円台の4人家族、ゴミを奪い合う年金老人、援交子育てママ、闇職系常連、「住民票は山谷」のワーキングプア…驚愕のリポート!2極化する日本人の生々しいドキュメント。最底辺100人の証言。
目次
第1章 誰も語れなかったワーキングプア
第2章 「貧困家庭」崖っぷちのサバイバル
第3章 結婚できない“名ばかり”正社員たち
第4章 犯罪から抜けられない闇職系若者
第5章 貧乏老人がたどる悲惨な末路
第6章 貧困は本当に自己責任なのか?
著者等紹介
門倉貴史[カドクラタカシ]
1971年神奈川県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、(株)浜銀総合研究所に入社。(株)第一生命経済研究所主任エコノミスト等を経て、2005年7月よりBRICs経済研究所代表を務める。08年同志社大学大学院非常勤講師。専門は、日米経済、アジア経済、BRICs経済、地下経済と多岐にわたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mazda
30
石田衣良さんの小説を、地で行くようなことが書かれていて驚きました。仕事のない若者の潜在的な納税能力3兆円近くあるので、彼らを正社員として雇うことで、実は社会が儲かるようになっているらしい。しかも、可処分所得も増えるので、景気がよくなることが想定されると思われる。一時的に会社の利益をよくするために賃金を安くしたり非正規労働者を雇うことは、結局自分(会社、社会)にふりかかってくるんだな、と思いました。2014/08/13
緋莢
13
2割の日本人が年収200万円以下の現代日本。住所を持てないネットカフェ難民、結婚できない〝名ばかり”正社員、年金だけでは暮らせず、廃品回収でゴミを奪い合う老人・・・100人の証言をもとに貧困の現状と問題点を探る。2017/08/15
中野(racoon)
8
★★★★☆ きっかけや居住状態などさまざまなタイプのワーキングプアと呼ばれる人々を取材してあり、その生活ぶりがぼちぼち詳しいのでただなんとなく読んでいるだけで楽しい。他人の生活や身の上話ってやっぱ面白い!非正規には非正規の苦しみがあるが、名ばかり正社員のワーキングプアの八方塞がり感がすごい。転職先探しのための時間がない、って、ブラックジョークじゃなくてマジなんだね。時間とお金どちらを選ぶか?で自ら選択した結果ではなく、両方搾取されてるえげつなさが他人事でも悔しい。ネカフェ暮らしごっこをまたやりたくなった。2015/03/01
はせこー
4
証言の一つひとつが重かった。 ただ現実なんだなと思う。 どう向き合っていくのか、どう対処していくのかが重要だと思う。 門倉さんの本は勉強になる。2013/04/21
はな
3
筆者が言うように貧困は自己責任かつ社会的責任による。急に病におかされてしまった人や事故にあった人たちが、今までの安定した生活から一転貧困へ落ちてしまうのは、誰にでも起こりうることなのでおそろしく感じる。自己責任の人と環境が原因の人の区別をつけることはできないが、環境による貧困の人にはきちんと保障できる仕組みがあるべきである。日本は他国に比べると貧困が見えにくい国だが、だからこそ危機感が少ないのでは。政府はもっとセーフティネットを改善して構築すべき。2011/09/29