内容説明
“戦争写真家”ロバート・キャパは、戦争のさなかに、そして束の間の平和の時期に、世界の子どもたちを撮りつづけていた。戦争を止めさせ、平和を維持させるものがあるとすれば、それはキャパが撮った子どもたちの写真だ―死後40年経って発見された膨大な写真の中から、弟のコーネル・キャパと伝記作家のリチャード・ウェーランが選んだ珠玉の122枚。日本版オリジナル制作写真集、待望の文庫化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koki Miyachi
9
戦争と平和と子供たち。キャパのライフワークの結晶。子供達の表情はその時の気持ちを映し出す鏡そのもの。子供の瞳に一瞬浮かんだ、不安、驚き、喜び、好奇心、切なさといった感情が見事に定着されていて、永遠に強いメッセージを放つ力強い写真になっている。信じられないことに、キャパの写真はトリミング不要だという。平和への信念とカメラマンとしての芸術的才能の融合が生み出した写真集。キャパが亡くなる数時間前に撮影した、装甲車とベトナムの子供たちの写真を見るのは切なかった。2013/07/03
桜もち 太郎
3
キャパ生誕100周年ということで手にしてみました。チャーミングなキャパらしい優しい写真も多く掲載されていました。2013/05/29
ユコリロ
2
キャパの写真を見ていると、なぜだかその写真を撮っているキャパの顔が、思い浮かんできます。まるで自分が撮ったかのように錯覚してしまう、被写体との距離の近さが好きです。
けいちか
2
序文にキャパの詳しい伝記を書いたウィーランとキャパの弟のコーネル・キャパの文章が掲載されている、戦争を中心としない、戦時中の子供の居る風景を中心とした写真で構成されている写真集。死の直前に訪れていた日本の子供達の風景も含まれている。ウィーランによるキャパの伝記を読みながら、この写真集を見ていると、そこに掲載されている写真について言及されている部分もあるので、リアルタイムで体験できる感覚で写真を見ることが可能。2009/01/18
ハジメ
2
表紙の一枚が最高にチャーミング。 子どもたちの表情は眺めていて飽きない。 2011/07/30