誰も国境を知らない―揺れ動いた「日本のかたち」をたどる旅

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  • サイズ B6判/ページ数 390p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784795848924
  • NDC分類 329.23
  • Cコード C0095

内容説明

僕たち日本人は、この国の真の姿をどこまで知っているのだろうか?歴史の流れのなかで、日本という国の膨張・収縮により時代に翻弄されてきた特別な場所=北方領土、竹島、尖閣諸島、沖ノ鳥島、与那国島、対馬、そして小笠原諸島、硫黄島…。あの戦争の果ての線引きによって定められてきた「この国のかたち」を見つめ直すために、僕は、日本列島の周縁に位置する「国境の島々」を訪ねる旅を始めた―。

目次

1 北方領土1「渡航を禁じられた島」―函館~サハリン~国後島
2 沖ノ鳥島「国家が守る見えない島」―東京~父島~沖ノ鳥島
3 竹島1「民族的聖地への上陸記」―釜山~鬱陵島~竹島
4 対馬「隣国と向き合う交流の島」―対馬~釜山/釜山~対馬
5 硫黄島「国家に裏切られた島」―東京~父島~硫黄島
6 小笠原諸島「日米の間で揺れ続けた島」―東京~父島~母島
7 与那国島「国境の手前でもがく島」―基隆~那覇~与那国島
8 竹島2「奪われた島をめぐる記憶」―七類~隠岐
9 北方領土2「歴史が止まったままの島」―国後島~色丹島~根室
10 尖閣諸島「政治的な秘境となった島」―那覇~香港/那覇~魚釣島

著者等紹介

西牟田靖[ニシムタヤスシ]
1970年大阪生まれ。神戸学院大学卒業。8カ月間の会社勤めの後、地球一周の船旅へ。以降、ライターとして活動を始める。「深夜特急」の経緯をたどる香港からロンドンまでのバス旅、北インド、北ベトナム取材、タリバン支配下のアフガニスタン潜入、空爆停止直後のユーゴスラビア突入、旧大日本帝国エリア踏破など、世界各地に挑戦的な旅を続けてきた。訪れた国は50以上、国内外を含め訪れた離島は100を超える。4年をかけアジア太平洋地域に日本の元領土を踏破した旅の記録を『僕の見た「大日本帝国」』(小社刊)として上梓、真摯に歴史と対峙するその姿勢と大胆な行動力で高い評価を得た(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しげ

70
10年ほど前に気象庁の職員として南鳥島に勤務された経験が有る方と話す機会が有り、島での勤務、生活について聞いたた事を思い出しました。その時点で10年程前の経験談なので足し合せると約20年前の日本近海(南太平洋等)の状況になります。中国の海洋進出が騒がれ出す少し前、まだ穏やかな頃で本書の著者が国境の島々を取材した時期(2000年代初め)に重なると感じました。出版から15年近く経過しており情勢も厳しくなりましたが「歴史の流れと私達が生きる平和な日常は地続き」著者の言葉が胸に響きました。2023/11/05

蘭奢待

17
前作がおもしろかってので読む。尖閣だ、竹島だ、北方領土だと一部で喧しいが、その領土問題のある辺境の孤島をめぐるルポ。 通常踏み入れられない島でのルポだけに相当な努力が見られる。各領土問題の発端や経緯まできちんと調べて書かれているのが好ましい。客観的に見て、その経緯からは日本の領土主張が怪しいものもあるのがわかる。2018/11/03

まさむね

2
庶民視点から見た「国境の島」の姿。2008/11/30

koji

1
尖閣、北方領土と、最近国境がとみに騒がしくなっています。10年近く前から足を運び、2年前に上梓された本書は、「日本」を知ることは、国境を知ることであるとの信念に基づいた行動を基軸にして描かれています。数々のインタビューの中に、「身を置く」ことと「評論すること」との断絶の大きさを改めて感じました。「日本とは何か」「外交とは何か」考えさせらます。皆に読んでもらいたいと思います。2010/12/11

kesnke

1
まずタイトルに惹かれた。確かに知らないよなぁ。日本の国境付近の島々やそこの現/元住民への取材をまとめたもの。進行形で政治や外交に翻弄される国境のありようを知ることができた。日常的に歴史や隣国を意識せざるをえない生活というのは、自分に想像はできても、どうにも実感がわかない。つい、ワープでもしない限り外国とは隔離されているような、ゆるい鎖国感覚を持っていたことに気付く。国境があり国の外枠が決まって結果、今の自分の住んでいるところがあるという事をつくづく思う。いつか行ける場所でも国境を見に行きたい。2011/05/22

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