高村薫の世界―あるいは虚無の深奥への招待

高村薫の世界―あるいは虚無の深奥への招待

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  • サイズ B6判/ページ数 286p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784795838222
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0095

内容説明

取り憑かれた人びと、故郷喪失者の身ぶり、主人公を浄化する装置、漂流する戦後…変容する作家のすべてを解明する初の本格的「高村薫論」。

目次

序章 われわれはどこにいるのか
第1章 憑かれた人びと―『黄金を抱いて翔べ』『神の火』『わが手に拳銃を』『李欧』『リヴィエラを撃て』
第2章 この壮大なる人間喜劇―『マークスの山』『地を這う虫』『七係連作』
第3章 燃えつきた人間―『照柿』
第4章 ヨゼフよ、いずこに―『ヨゼフ断章』「単行本未収録短編」
第5章 漂流する戦後―『レディ・ジョーカー』
第6章 母と子の舞踏会―『晴子情歌』

著者等紹介

野崎六助[ノザキロクスケ]
1947年東京生まれ。作家。文芸評論家。84年、『復員文学論』でデビュー。92年、『北米探偵小説論』で日本推理作家協会賞を受賞した
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

16
「新冷血」の発売を楽しみに待っている所、図書館でこの本を見つけて借りました。この「晴子情歌」から「太陽を曳く馬」で榮の政界と主人公の出家、父の青と子の赤の対比を為して福田家サーガは円環状の幕を閉じることになるのは必然だったのか。「リヴィエラを撃て」や「神の火」、「黄金を抱いて飛べ」は単行本のみ既読なので改稿版の文庫と読み比べてみたくなりました。単行本にもなっていない七係シリーズや「ヨセフ断章」も紹介されているため、当時(まだ、私は赤ん坊だった)、掲載雑誌を読めた人が羨ましくて仕方ありません。2012/06/18

shiman

6
中断していた「晴子情歌」にも終盤には読書の喜びがまっているようだ。早めに再トライすべし。2013/04/26

Michael S.

4
高村薫の作品は文庫化すると読むことにしてます。『黄金を抱いて翔べ』は未読ですが。高村薫の作品は重厚で細部の表現が精緻で際立っているところが好きで、特に大阪の蒸し暑い熱帯夜や下町の工場の描写などが地元に住んでいるだけにとてもリアルに感じます。この本は『春子情歌』までの作品の批評で、他の作家の著作が高村小説に与えた影響などを推理していて興味深い。そっちの著作の方も読みたくなります。高村作品は大部なものが多くてなかなか再読を楽しめないのでこの本で作品を批評家の目を通して追体験するのも良いかと思います。 2018/08/31

pegochan

1
私にとって高村薫というのは特別な作家である。マークスの山で一気にファンになって、決して多作ではない高村薫の新作を心待ちにするようになった。レディジョーカーまでは良かった。がその後、晴子情歌で作品は難解化してしまった。もう読まなきゃいいのにと思うのに読まずにはいられない。何がそんなに魅かれるのかがわからない。たまたま図書館の片隅でこの本を見つけて読んでみた。少し古い本で晴子情歌までの高村薫論だが、これまた少々難解で、わかったことは私はこれからも高村薫を読み続けるだろうということだけだった。2015/09/26

ぱーぷる・ばんぶー

1
単行本化されていない合田関連の短編が読みたい!もし単行本になっても改稿しまくりの別物になってるんだろうなあ。古本屋で古い雑誌探そうかなあ。2014/06/22

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