内容説明
1枚の贋作、3枚の真作に描かれたゴッホの「顔」の謎を解く…闇に満ちたゴッホ像に新たな光をあてる渾身のノンフィクション!日本推理作家協会賞受賞第一作。
目次
序章 「ゴッホ神話」のなかのゴッホの姿
第1章 不条理なことがら
第2章 リヨン駅発アルル行き
第3章 左利きに描かれたゴッホ
第4章 アルルの『ファン・ゴッホ兄弟社』
第5章 ゴッホの自画像に同じ顔はない
第6章 アルルの太陽の終焉
第7章 寄せ集めの顔
第8章 サン・レミで描いたふたつの自画像
第9章 「左利きの自画像」の周辺
第10章 イサークソンの迷い
第11章 最後にたどりついたところ
終章 ゴッホであることの証明
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キャンドルジュンジ
1
ゴッホの贋作をみごとな推理で証明していく。その絵がちょうど日本に来ているので見に行こうとおもう。2011/07/08
えーた
0
『左利きの自画像』の贋作説を展開しながら、ゴッホの半生を紐解いていく形で話は進められる。絵画の解説、というよりは質のいいミステリーのような物語を読んでいる感覚を覚える。2013/01/23
ヨードー
0
ゴッホの自画像はいくつかあるが、その内の一つ「左利きの自画像」は贋作であると著者は断言する。贋作者はこの会心の力作に満足し、完成度の高さは専門家の目も欺いて来た。ゴッホらしからぬ箇所があっても「その頃は病んでいたからね」という風潮もあり、誰も見破れない。とにもかくにも細かく贋作である箇所を挙げている。ここまで断言するのだから贋作なのでしょう。2021/11/19