内容説明
エミール・ゾラとポール・セザンヌが無二の親友であったことは、たんなる芸術家同士の友情物語にとどまらない。その友情は、近代美術の革命の方向を決める光でもあった。本書は、セザンヌとゾラの絶交の理由に新知見を見い出し、二人の芸術と印象派運動を再検討するものである。
目次
ゾラとセザンヌ―友情とその挫折
「ルーゴン・マッカール叢書」における『作品』の位置と概要
『作品』において圧縮された落選者展と印象派展の時間
落選者展以後の世代が印象派に育っていく過程
第一回印象派展はどのようにして始まったか
第二回展以降の印象派展の変貌
ゾラの印象派時代の美術批評
セザンヌとサロンの関係
セザンヌの唯一のサロン入選作はいかなる作か
ゾラと印象派画家たちの相互影響関係
クロードの最後の大作「セーヌ河大水浴女図」
二人の別離の真の原因―女性の存在
ゾラのその後と晩年の批評活動
セザンヌのその後と晩年の成熟