内容説明
映画が好き、落語が好き、美術が好き、音楽が好き、演芸が好き、もちろん古本も。「均一小僧」「文庫王」の異名をとる著者が、小津映画について、競馬ミステリーについて、三代目桂三木助について、洲之内徹について、吉田拓郎について、そして、子どものころから大好きだった大阪の笑芸人たちについて、縦横無尽につづったバラエティ・ブック。
目次
1 小津安二郎を見る(小津『麦秋』デッサン;トウキョウ天使の詩―『東京物語』論 ほか)
2 文学は駆け足でやってくる(人が人に手渡すもの―「伊豆の踊子」を読む;獅子文六『自由学校』を読む ほか)
3 洲之内徹と吉田拓郎(その絵を私の人生の一瞬と見立てて―肥後静江さんに聞く;洲之内徹という男―小山田チカエさんに聞く ほか)
対談(人生いたるところ古本屋あり―坪内祐三と;「新しい」古本の楽しみ方、買い方―角田光代と ほか)
4 私設おおさかお笑い図書館(チャンバラトリオの巻;笑福亭仁鶴の巻 ほか)
著者等紹介
岡崎武志[オカザキタケシ]
1957年大阪府枚方市生まれ。古本をめぐるエッセイや書評を中心に執筆。「均一小僧」の異名をもつ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sasha
0
副題通りバラエティに富んで楽しいのだが、小津安二郎作品をほとんど観ていないので分からぬことも多かった。2009/12/30
春風のぼる
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盛りだくさん。楽しいです。
猿田康二
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本には「この本を手に取って良かった」という本の急所がある。急所は当然読み手にとってそれぞれではあるが、私にとっての本書の急所は、この中で語られる笑福亭仁鶴の森繁をゲストに迎えた時に番組30分間だんまりをされ、その後同じ番組に藤本義一が招かれ、そこでの二人の対話を綴った場面である。「普通の人なら死んでしまうことを君はやっとるんや。ええがな、誰に何を言われても」この言葉に仁鶴は救われる。こういうエピソードとその時の著者の鋭い感想が綴られている。よく書いてくれたと思う。著者の独特の嗅覚と文章力にいつも感心する。2019/10/26