内容説明
自衛隊のイラク派兵は強行され、改憲を求める声は高まり、極右政治家が首都の知事となる。「強きを助け弱きをくじく」ファンタジーがはびこり、ネット掲示板では差別発言がとびかい、「決まったことはしょうがない」ですませる団塊ジュニアには社会を変える想像力が欠けている。このアブナい状況を変えるカギは、「女子供文化」が握っている!『ベルサイユのばら』をはじめとする少女マンガ、手塚マンガ、宝塚の作品から、平和・自由・平等を尊ぶ女子供文化のエッセンスをくみ取り、返す刀でイラク派兵、憲法改正論議などの危うい世相を斬ってとる、痛快反戦エッセイ。女子供カルチャーの復興が日本を救う。
目次
第1部 「女子供文化」の衰退が日本を「戦争」へと駆り立てる(『ベルサイユのばら』は「自由と平等と博愛」をあきらめない;「公務で応戦、罪は個人」;無知で傲慢で(潔癖主義で)屈託が無くて無神経なマジョリティ
「強きを助け弱きをくじく」日本のマジョリティ ほか)
第2部 私が愛した「女子供文化」(『スサノオ』を上演することによって宝塚歌劇団は「日本軍の海外派兵・武力行使・アメリカ軍による侵略戦争への加担」を否定しない劇団に成り下がった;「人は恋煩いで死ねる!」と主張し続ける宝塚歌劇団のベテラン座付き作家・柴田侑宏の作品にこそ「宝塚の香気」は宿る;「反戦」を主張するアニメ脚本『(旧)サイボーグ009/太平洋の亡霊』を書いた辻真先は今なら「非国民」扱いされるはずである
「『ミナミの帝王』よりも『ナニワ金融道』の方が偉い」とされる今の日本の漫画評論にはうんざりである ほか)
著者等紹介
荷宮和子[ニミヤカズコ]
1963年神戸市生まれ。女子供文化評論家。マーケッターとして女子中・高生の動向を洋服、雑貨を通して追いつつ、漫画、宝塚、キャラクターなどに関するコラムを新聞、雑誌などに執筆
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