内容説明
手話を用いる人びとが、何世代にもわたって受け継ぎ、豊かにしてきた「ろう文化」。本書はカルチュラル・スタディーズや最新言語学の成果も取り込んだ「ろう文化」入門の決定版である。そもそも、耳が聞こえないってどういうことだろう?笑い声やトイレでの音。からだが出す音にも、よい音と恥ずかしい音があることを学ぶ。ろう者が共有するコミュニティ、伝えあう教訓―。古いフィルムやろう演劇、手話によるジョークや歌、詩など、思いがけない資料を手掛かりに、ろう者の生活文化を内側から描きだす。アメリカでは手話を学ぶ際の必須文献として、教科書にもなっている本。
目次
はじめに 「ろう文化」への招待
第1章 ろうであることの発見
第2章 ろうのイメージ
第3章 異なる中心
第4章 聴者の世界で生きる
第5章 手話への新しい理解
第6章 音のもつ意味
第7章 歴史的創造物としてのろうの生活文化
著者等紹介
パッデン,キャロル[パッデン,キャロル][Padden,Carol]
1955年、ろう家族のもとにろうとして生まれる。ジョージタウン大学卒業。カルフォルニア大学サン・ディエゴ校で手話言語学の分野で博士号を取得。現在、同校教授
ハンフリーズ,トム[ハンフリーズ,トム][Humphries,Tom]
1946年生まれ。ギャローデット大学卒業。ユニオン大学院で比較文化と言語習得の分野で博士号を取得。現在、カルフォルニア大学サン・ディエゴ校のコミュニケーション学部で専任講師を務める
森壮也[モリソウヤ]
1962年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科、同大学院経済学研究科終了を経て、日本貿易振興機構アジア経済研究所開発研究センター研究員。横浜国立大学、横浜市立大学非常勤講師。日本手話学会会長。障害学会理事
森亜美[モリアミ]
1962年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部史学科西洋史学専修卒業。東京銀行(現東京三菱銀行)本店調査部勤務等を経て、デフ・マザーズ・クラブを設立
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