内容説明
「エイリアン」「大脱走」「北北西に進路を取れ」などハリウッド映画の物語分析を通じて、ラカン、フーコーら現代思想のエッセンスを伝える、極上知的エンターテイメント。大人なら映画はこう読む。
目次
第1章 映画の構造分析(物語と構造;テクストとしての映画;欠性的徴候;抑圧と分析的知性;「トラウマ」の物語)
第2章 「四人目の会席者」と「第四の壁」
第3章 アメリカン・ミソジニー―女性嫌悪の映画史
著者等紹介
内田樹[ウチダタツル]
1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒。東京都立大学大学院博士課程(仏文専攻)中退。東京都立大学人文学部助手を経て、神戸女学院大学文学部教授。専門はフランス現代思想、映画論、武道論
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mm
21
今日読んだ「オクトーバー・物語ロシア革命」が物語とカテゴライズされるわけは、この本の30ページまでにクリアに説明されております。意味の亀裂が物語の始まり。物語を作らずして、物事を理解することは不可能なのです。前に読んだ時より、より腑に落ちたことはいくつかある。何が隠されているかはどちらでもよくて、どのように隠されているか、ミステリーと精神分析で探るところ。フロイトのトラウマと、今使われてるトラウマは意味がちがうじゃん。誰がみているかを操作することで、見事に嵌められるこの素晴らしい罠!2018/05/06
mm
12
るるるん。面白くてスッキリした。ヘッドスパに行くと多分こんな感じで、目の前が明るくなって気持ち良いのでは? さー、ヒッチコックの映画を見るぞ!2015/11/15
Nobu A
9
内田樹先生著書6冊目。相変わらずの顕学ぶりには驚かされる。思想家でもあり翻訳家でもあり武道家。教育論から天皇論、果ては映画論まであらゆる事象に深遠な見解を持つ。特に本著は映画ファンには堪らない。紹介映画の1本、「エイリアン(1979年)」は同じく不朽の名作だと思う。CG全盛の今の時代でも全く見劣りしない。ただ、個人的にはジャンル別けしてもっと様々な映画を出して欲しかったかな。まあ、談議としては何でも語れる。後半ちょっと食傷気味。でも、色々と勉強になった。あとがきの「何十回も推敲した」に少し親近感が湧いた。2022/05/20
teddy11015544
9
本当は再読なのですが、読書メーターを始める前に読んだのでしょう。登録されてませんでした。面白いと記憶していましたが、再読しても刺激的で面白かったです。アメリカのミソジニーの由来、映画になぜ人々の欲望が映り込むのか、などなど。意識や欲望の深層が映り込むので、どんな映画でも、深読みをすると面白くなりそう。さあ本屋にも出かけずに、家にごまんとある昔の内田せんせいの本を少しまとめて読んでみましょうか。いろんな映画も自宅で見るチャンスですし。2020/04/05
ぷぅ
3
幅広い知識を持っていると、一つの事でもいろんな楽しみ方ができるのだなぁと実感。やはり教養って大切だなと。2012/01/17