内容説明
どんな分野にも歴史に埋もれた天才がいる。人を押しのけるのが苦手。あるいは我が道を貫くため、時流に背を向けることも厭わない。彼らは、華やかな名声とともに語られないが、人々の記憶には確かに存在する。貧窮の中で研究を続けた大上宇市。徳島に生きたポルトガル人モラエス。日本山岳会生みの親、高頭式。幻の料理人、魚谷常吉。画家の篁牛人、島成園。尺八奏者の福田蘭童。水泳選手の橋爪四郎…。様々な異才16人。そのゆかりの地を訪ね、素顔と偉業にあらためて光を当てた。名声より大切なものは何か?それを追い続ける情熱はどこからくるのか?真の「一流人」は、時代が変わってもゆるがない。現代を爽快に生きるヒントが見えてくる伝記エッセイ。
目次
大上宇市―もうひとりの熊楠
島成園―松園のライバル
モラエス―ハーンにならない
中谷巳次郎―無口な魯山人
西川義方―天皇のおそばで
高頭式―先ズ照ラス最高ノ山
秦豊吉―鴎外の双曲線
魚谷常吉―包丁とペンと
篁牛人―志功を見返す
洲之内徹―宙吊りの思想
尾形亀之助―賢治の隣人
福田蘭童―尺八と釣り竿
小野忠重―版の人
中尾佐助―種から胃袋まで
早川良一郎―けむりのゆくえ
橋爪四郎―もうひとりのトビウオ
著者等紹介
池内紀[イケウチオサム]
1940年、兵庫県姫路市生まれ。ドイツ文学者。『海山のあいだ』(角川文庫)で講談社エッセイ賞、『ゲーテさんこんばんは』(集英社)で桑原武夫学芸賞、『ファウスト』の新訳(集英社)で毎日出版文化賞、『カフカ小説全集』(白水社)で日本翻訳文化賞
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
B.J.
takao
岸野令子
あーさー