内容説明
道路、テーマパーク、劇場の建設…ハード優先の「町づくり」ブームは終わった。5人の論者が「品格ある地域」をもとめて、日本各地を遍歴した。中央にたよらない商業活動がある。豊かな自然と美味しいものがある。楽しくかつ命がけで働く人びとがいる。その地方にしかできないことを実践している。…これからの「町づくり」への具体的なヒントにあふれた、地域文化旅日記。
目次
なぜ「地域おこし」に品格がないのか―北海道・網走監獄と優佳良織の志(日下公人)
森なしには生きられない―愛媛県内子町・里山の復活(奥本大三郎)
おもしろ、おかしく、命がけ―湯布院町・中谷健太郎の冒険(森まゆみ)
「本の学校」に失われた私塾の伝統を見た―米子・今井書店の百二十年(津野海太郎)
日本「戦後」史と「町おこし」(関川夏央)
地方文化は商業活動にはじまる―佐渡の古民具寄せ場にて(日下公人)
美味いものと豊かな自然は不可分なのだ―的矢牡蠣と松阪牛(奥本大三郎)
「町おこし」商売はやめにしました―東北のお地蔵さん、結城登美雄の選択(森まゆみ)
ホール無用、野外劇のたのしみ―長浜曳山祭りと函館野外劇(津野海太郎)
「地域文化研究小組」その事始めと遍歴(関川夏央)