内容説明
旅する椎名誠の脳裏をよぎった、忘れがたい風景と人生の一瞬。心にしみいる24篇の物語。
目次
那覇のホテルで窓をあけたまま睡ってしまった。
夜更けまで波の音がきこえていたので。
犬は少年といる時が一番うれしいようだ。
夜なのに林のむこうからおはやしがきこえてきた。
ある年の夏、ベカ舟で沖へ流されてしまった。
零下20度の雪原で三つの月を見た。
ここでないもっと遠くの時代の海のはなし。
蒼すぎる空は時おりずいぶん悲しくみえることがある。
草原を眺めていたらシャーウッドの森を思いだした。
ゴビ砂漠の上を雲と同じ方向にとびながら考えていたこと。〔ほか〕