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公共性の喪失

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  • サイズ A5判/ページ数 497,/高さ 22X16cm
  • 商品コード 9784794960610
  • NDC分類 361
  • Cコード C0036

内容説明

19世紀に万人にひらかれた公共性をもとめて近代市民社会が成立し、それまで生活のなかに歴然とあった公的領域が、個人や家族関係を軸とする私的領域にとってかわられた。そしていまや、政治、都市生活、メディア、消費、芸術にわたるあらゆる問題は、個人の心理の問題として測られるようになった。都市論、コミュニティ論、演劇論、記号論、精神分析、心理学、文学などの分野を自在にゆききしつつ、フランス革命から現代のスターシステムまでを歴史的に検証し、「公」と「私」のバランスを欠いた現代社会のメカニズムを鋭くえぐる刺激的研究。

目次

第1部 公共性の問題(公的領域;役割)
第2部 旧制度の「公」の世界(観客―見知らぬ人たちの集まり;公的な役割;「公」と「私」;俳優としての人間)
第3部 19世紀における公的生活の動揺(産業資本主義の公的生活への影響;「公」の場における個性;19世紀の公的人間;集団的個性)
第4部 親密な社会(公的文化の終焉;カリスマは不作法になる;コミュニティは不作法になる;芸術をうばわれた俳優;親密さの専制)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

5
17世紀からの家族、芸術表現、公的空間、価値意識などの変遷を追いながら、リースマンの結論を逆転。明確な社会的規準がないからこそ、「私はどう感じるか」「私はそれを信じられるかどうか」が重要視される。なんだ、現代日本に随分ぴったりじゃあないか、と私は思った。70年代中頃の本だけれども、そこから導き出される洞察は今でもとっても刺激的。 特に地域コミュニティや、昨今の分権論を贔屓目に見ている方にお勧めだが、日常の問題を深く扱っているので、メディア、友人・家族関係、都市社会などにも幅広く関わってくる。2012/10/31

ぷほは

3
リースマンとエリクソンの弟子だというセネットの有名な著作。ハッキリ言ってその割には読んだ人は少ないのではないか。概説書などでは特に結論部分の「親密性の専制」という部分と序論が、リースマンら大衆社会論やラッシュのナルシシズム論などと並べて紹介されはするものの、本書の魅力はそこではなく、むしろ第二部、第三部の演劇論、芸術論ではないかと思ったり。自分の今の関心がそこにあるからかもしれないが、自身も芸術家であるセネットの本領発揮はこのへんだろう。反対にマスメディア論は随分おそまつ。『市場と劇場』再読の必要有り。2015/10/05

samandabadra

1
学生時代に読んだ本。今も、いろいろなところで引いている。

あみだ

0
授業で。都市化が進むにつれて、公的生活の在り方が個人の内部に起因するように変容していったことをさまざまな観点から論じている。ただ、私には難しかった…半分も理解出来ていないような気がする。2014/12/01

mayu

0
マスメディアの公共性についてその構造自体に問題があるとか、よく言われていることなんだけど熟読しなくてもさらっと読むだけでいいと思う。2011/02/28

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