出版社内容情報
【ソ連の対第三世界戦略】70年代,デタントの時代に,ソ連はいかにしてその権勢を世界的規模にまで拡大し,“新たな帝国”を確立しえたのか。世界戦略の全貌を解読する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
5
1970年代から活発化した、旧ソ連の第三世界戦略について、フランスのソ連研究の泰斗が分析した、今では歴史的な本。まだソ連が存続しており、情報開示も今ほどではなかったのに、ここまで踏み込んで分析出来ていたことに驚嘆。70年代、アメリカがベトナム戦争で敗戦した力の空白を突いて、世界各地にソ連は影響力を拡大したが、その内情は複雑で慎重な試行錯誤の連続で、アフリカではソマリアとエチオピアとの同盟を取替え、イラン、リビア、イラクといったイスラム諸国の対応に苦慮していた。多数結ばれた友好協力条約の片務性の分析にも納得2018/01/17