娼婦の肖像―ロマン主義的クルチザンヌの系譜

個数:
  • ポイントキャンペーン

娼婦の肖像―ロマン主義的クルチザンヌの系譜

  • 村田 京子【著】
  • 価格 ¥3,850(本体¥3,500)
  • 新評論(2006/12発売)
  • ゴールデンウィーク ポイント2倍キャンペーン対象商品(5/6まで)
  • ポイント 70pt
  • 出版社からのお取り寄せとなります。
    入荷までにおよそ1~3週間程度かかります。
    ※商品によっては、品切れ等で入手できない場合がございます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【出荷までの期間】
    ■通常、およそ1~3週間程度

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆上記期間よりも日数がかかる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆品切れ・絶版等により入手できない場合がございます。
    ◆品切れ・絶版等の確認に2週間以上かかる場合がございます。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • 店舗受取サービスはご利用いただけません。

  • サイズ A5判/ページ数 350p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784794807182
  • NDC分類 950.2
  • Cコード C0098

出版社内容情報

一九世紀フランス・ロマン主義文学において、クルチザンヌ(娼婦)の存在は重要な位置を占めている。とりわけ、アベ・プレヴォーの『マノン・レスコー』やデュマ・フィスの『椿姫』の主人公の名は、誰でも一度は耳にしたことがあるに違いない。こうした作品は、真実の愛に目覚めた娼婦が悔い改めて苦難の道を歩み、罪を贖って死ぬ恋愛物語として、読者に共感と同情の涙を誘ってきた。しかし、私たちはそれが男性の視点で描かれていることに気づかないことが多い。私たちは実は、男の主人公(または男性作家)の眼を通して、男の抱く理想の女性像をこれらの作品に見出し、そのイメージを共有していたのだ。では、発想を転換して、女の視点、ジェンダーの観点から見ればどうなるだろうか。本書は、男性の視点に立った従来の解釈とは全く異なる立場から、文学作品を読み直そうとするものである。
クルチザンヌが文学に登場する一九世紀は、産業革命やブルジョワジーの台頭により、資本主義が確立した時代である。それは、すべてがお金に換算され、「女の肉体」も「商品」として男の手から手へと流通する時代の幕開けであった。このことはまさに、市場主義が推し進められた現代社会のルーツを成している。私たちの社会の原点である近代社会を描いたフランス・ロマン主義文学の世界に立ち戻って娼婦像を考察することは、現代の女性像の原点にさかのぼることでもあろう。現在、取りざたされることの多いジェンダーに基づく価値観(「男らしさ」「女らしさ」の概念)を考える上でも、本書は一つの足がかりとなろう。ロマン主義的クルチザンヌの分析を通じて、現代につながる諸問題を浮き彫りにするのが本書の狙いでもある。

内容説明

近代は“女性性”をいかに眼差したか。19世紀フランス小説をジェンダーの視点で読み直すとき、そこに現代の起源=「近代ブルジョワ社会」の性に関する価値意識が浮かび上がる。

目次

第1部 「恋するクルチザンヌ」たち(原点としての『マノン・レスコー』;マルグリット・ゴーチエとマノン・レスコー―アレクサンドル・デュマ・フィスの『椿姫』;女性作家の描く、もう一人の「椿姫」―ジョルジュ・サンドの『イジドラ』)
第2部 「危険なクルチザンヌ」たち―バルザックの娼婦像(女の危険な眼差し―『マラナの女たち』;クルチザンヌの栄光と悲惨―『娼婦盛衰記』;恐るべき女のエネルギー―『従妹ベット』)
第3部 近代小説と公娼制度(「社会小説」に登場する娼婦たち―ウージェーヌ・シューの『パリの秘密』;ユゴーの作品における娼婦たち)

著者等紹介

村田京子[ムラタキョウコ]
京都大学大学院文学研究科博士課程修了。パリ第7大学文学博士。大阪府立大学人間社会学部教授。専門はフランス文学(特に19世紀)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ラウリスタ~

12
マノンレスコーから、椿姫、バルザック、サンドを経てユゴーまで、18世紀に端を発し19世紀前半に最盛期を迎えるフランスロマン主義文学で描かれた娼婦(と言っても現代的な意味ではなく、結婚前に付き合ったらもうみな娼婦)たちの姿をフェミニズム批評の観点から分析。救済をもたらす知的な男の真実の愛によって改悛する娼婦、娼婦を生み出すパリの悲惨から田舎へと逃避し牧歌的幸せを掴む娼婦、男から発言の権利を奪ったサンドの娼婦など、ロマン主義の変遷を娼婦像の変化から見直すことが出来る。体は許したけど、心は貴方の物よ!とか嘘つけ2017/10/15

みかん

0
クルチザンヌだけが娼婦じゃないし、ロマンなんて微塵も反映されてなさそうな下層プロスティテュエでさえ、男性作家の筆にかかればブルジョワ道徳観から逃れられないのであった2016/03/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/1111835
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。