ベトナム/市場経済化と日本企業 (増補版)

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  • サイズ A5判/ページ数 419p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784794806994
  • NDC分類 332.231
  • Cコード C3033

出版社内容情報

『ベトナム/市場経済化と日本企業』が公刊されたのは、2004年の4月。日本企業の第二次ベトナム進出ブームが始まりだした頃であった。
 この時期はまた、中国の華南に進出していた台湾企業が、次の展開予定地としてベトナムへの関心を深め始めていた頃でもあった。特に、当時私たちが中国華南でめぐり会った、繊維、靴、家具などの軽工業品を生産する台湾企業は「われわれの大陸事業は、もう終わりだ。中国ローカル企業に勝てなくなった。この事業を続ける限り、ベトナムかインドネシアにでも行くしかない」と語るのであった。
 そして、その後、事態はまさにその通りに動いていく(この間の事情は、関満博編『台湾IT産業の中国長江デルタ集積』新評論、2005年、同編『現代中国の民営中小企業』新評論、2006年として刊行している)。
 この間、日本企業のベトナムへの関心はいっそう高まり、視察団が相次ぎ、また、すでに進出している企業群の拡張投資が次々に報道されていった。
 幸いなことに、ベトナムの産業、企業情報が少ない中で、本書は意外な反響を呼び、2年を待たずして品切状態になった。増刷の要請もあったのだが、この2年のベトナムをめぐる状況は急展開している。そのため、そのまま増刷することに戸惑いがあり、最近の事情を紹介する「補論」を付ける形で新たに編集し直した。
 本書の執筆者の大半はアジア研究の中でも中国での調査経験の深いメンバーである。中国経済が高まるほどにベトナムへの関心も深まっている。東アジアは新たな交流の時を迎えているのであろう。中国研究とベトナム研究が相互乗り入れしながら、新たな可能性を求める時代が到来していることを痛感させられる。この「増補版」を契機に、ベトナムをめぐる研究がさらに深まることを願っている。(せき・みつひろ)

内容説明

東アジア経済の要として大きく飛躍する新生ベトナムの産業展開・企業実態を内側から検証し、日本企業が担うべき役割と東アジアの新たな交流の時代を展望する。2004年初版以降、急展開する現地事情の最新動向を緊急補遺。

目次

ベトナム市場経済化の基本構造
ベトナム産業経済の輪郭
工業団地の展開と日本企業
国有企業の現状と私有企業の登場
ベトナム南部に進出する日本企業
ベトナム北部に進出する日本企業
外国投資の環境整備と課題
産業インフラとロジスティクス
ベトナム金融システムをめぐる諸問題
移行期経済の流通、マーケティング
ベトナムの産業発展と日本企業
ベトナムの投資動向と今後の展望

著者等紹介

関満博[セキミツヒロ]
1948年生まれ。1976年成城大学大学院経済学研究科博士課程修了。一橋大学大学院商学研究科教授。経済学博士

池部亮[イケベリョウ]
1969年生まれ。2006年青山学院大学大学院国際政治経済学研究科修士課程修了。現職、日本貿易振興機構広州事務所次長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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