出版社内容情報
本書は、わが国唯一のプロフェッショナル・オーディオの専門誌『プロサウンド』(ステレオサウンド社)に、1998年6月から2003年2月まで連載された「音の先駆者たち」18人の中から、2000年2月以降の10人について加筆したものである。連載を始めてしばらくは十分な紙面が得ることが難しく、そのために当初の8篇については、今後、大幅に加筆し続編として上梓したいと願っている。
では、本書に取り上げた10人の「音」のプロフェッショナルたちは、舞台、放送、レコーディング、製造といったさまざまな分野でどのようにして道を切り拓き、その夢を実現してきたのであろうか。――「音の演出家」の気概で千田是也、宇野重吉らの演出家と切り結ぶかに見える熱血音響効果家・田村悳。浅利慶太が楽日に花束を届け、真船豊がスタジオでの演出を任せたムーラン・ルージュ出身の澤田春夫。面接の席で「NHKの音をよくするために入るんだ」と言い放ち、のちにNHKのステレオの音をつくった人として記憶される田中茂良、イタリア賞でグランプリを獲得し「日本的名人芸」と賞賛されたNHK「ミクサー職」第一号・浅見啓明、四〇年に及ぶ記録的な長寿番組『ミュージックフェア』で「フジテレビの音」をつくりあげた初代ミキサー・石川眞、『シャボン玉ホリデー』などテレビバラエティの分野を疾駆した小泉準之助、エジソンの時代を伝えるワックス盤からデジタルまでを経験したわが国唯一人のレコーディングエンジニア・菊田俊雄、カートリッジ世界一を実現したレコード大好き少年・松下秀雄、世界に比肩するわが国初の高級アンプを開発したオーディオマニアの巨峰・春日二郎、電子楽器同士の共通言語を実現し、日本人として初めてロックの殿堂入りを果たした梯郁太郎――これら先駆者たちの熱き思いを、その息遣いとともに伝えたいと思う。
佐藤和明 NHKアナウンサー、ヒビノを経て音響特機(株)を設立。現在、「プロサウンド」編集部特別顧問。主要著書に『佐藤社長の決算書自習帳』(実務教育出版)など。
三好直樹 新橋演舞場を経て、東京芸術劇場の音響担当。日本音響家協会副会長。著書『まもなく開演』(新評論)。
内容説明
本書は、わが国唯一のプロフェッショナル・オーディオの専門誌『プロサウンド』(ステレオサウンド社)に、1998年6月から2003年2月までにわたって連載された「音の先駆者たち」18人の中から、2000年2月以降に掲載された10人について大幅に加筆・修正したものである。10人の「音のプロフェッショナル」(田村悳・沢田春夫・田中茂良・浅見啓明・石川真・小泉準之助・菊田俊雄・松下秀雄・春日二郎・梯郁太郎)たちが、舞台、放送、コンサート、レコーディング、製造といった分野で、どのようにして道を切り拓いて夢を実現していったのかが、彼らの息遣いとともに伝わってくる。
目次
田村悳
沢田春夫
田中茂良
浅見啓明
石川真
小泉準之助
菊田俊雄
松下秀雄
春日二郎
梯郁太郎
著者等紹介
佐藤和明[サトウカズアキ]
日本大学芸術学部演劇学科卒。「NHK」アナウンサーを経てプロオーディオの世界に入り1979年、プロ用音響機器の専門商社「音響特機」を設立。社長、会長を経て1998年に退職した。以後、『プロサウンド』誌(ステレオサウンド社)に「音の先駆者たち」「プロサウンド北から南から」などの連載を担当し、技術誌で一貫して“人”を描き続ける
三好直樹[ミヨシナオキ]
1948年生まれ。早稲田大学第1文学部中退。中退後、プロオーディオの世界に入る。1982年、新橋演舞場の音響担当として勤務。1990年、東京芸術劇場会場に伴い大ホールの音響担当として現在に至る。現在、明治座舞台株式会社勤務。有限責任中間法人日本音響家協会副会長。舞台機構調整(音響機構調整)1級技術者および検定委員(東京都)
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