出版社内容情報
村人が自力でつくったボリビアの「土の学校」、タイの孤児のためのフリースクール、オーストラリアのシュタイナー学校、アメリカの自転車屋をベースにした学び舎など、小さいながらも世の中にインパクトのあるメッセージを発しているオルタナティブ・スクールは各地に存在する。本書では個々のオルタナティブな教育実践の紹介のみならず、アソビに対する社会の〈まなざし〉についても国際比較を通して各国の特徴を浮き彫りにしてみた。危険分子として捉え、カリキュラムから経営方法まで徹頭徹尾に管理しようとする国もあるかと思えば、市民によるユニークな学校づくりとして捉え、支援を全面的に惜しまない国もある。さて、日本に目を向けてみるとどうであろう。不登校問題など、日本の教育社会の一番しんどいところを背負いながら、育まれず、細々と運営しているフリースクールがある一方で、不登校問題の「専門」として行政が認証を与えるというような動向を見るにつけ、そう想わざるを得ないのである。こうした「貧しさ」を「豊かさ」へと転換する契機を諸外国との比較を通して提示することもまた、本書の狙いである。
著者紹介 永田 佳之(ながた・よしゆき)国立教育政策研究所 主任研究官。博士(教育学)。日本人で初めて英国の自由学校=サマーヒル学園の教師を務める。以来、欧米やアジア諸国のオルタナティブ・スクールでフィールド・ワークを重ねる。著書に『自由教育をとらえ直す:ニイルの学園=サマーヒルの実際から』など。
内容説明
一割の妙、マイノリティの声が反映される社会空間の創設を。ボリビア、タイ、オーストラリア、オランダ、オレゴン州、デンマークに見るスキマとアソビの教育世界。
目次
序 なぜ今、オルタナティブ教育か
第1章 オルタナティブ教育とは―現代的な文脈におけるとらえ直し
第2章 ケース・スタディ―諸外国におけるオルタナティブ教育の実際
第3章 オルタナティブ・スクールはどのくらい存在するのか
第4章 オルタナティブ教育と係争問題―クオリティ・アシュアランスの功罪
第5章 クオリティ・アシュアランスと教育行財政のあり方
著者等紹介
永田佳之[ナガタヨシユキ]
1962年、長野県に生まれる。国際基督教大学博士課程修了、博士(教育学)。1995年に国立教育政策研究所(旧国立教育研究所)に入所して以来、国際事業や国際比較研究に携わる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジュリアンヌ
Uwapon
まっし