台湾IT産業の中国長江デルタ集積

台湾IT産業の中国長江デルタ集積

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  • サイズ A5判/ページ数 414p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784794806543
  • NDC分類 007.3
  • Cコード C3033

出版社内容情報

4000の工場を集積し、大陸で躍進する台湾企業の最前線を現地調査・報告。
2004年末、IBMがパソコン部門を中国の聯想に売却するというニュースは激震のように世界を走った。一つの時代が終わり、新たな時代が始まることを象徴しているように思えた。改革・開放から4半世紀、中国は「世界の工場」「世界の市場」としてその存在感を日増しに大きなものにしている。特に、パソコンなどのIT関連部門に関しては、1990年代中頃からの台湾企業の大量進出が、その基盤を形成したものとして注目される。台湾企業は90年代には南の珠江デルタに巨大な集積を形成し、そして、その後、2000年頃から一気に上海から蘇州、無錫という長江デルタに転進していくのであった。その焦点とされる蘇州をめぐり歩くと、その台湾企業による巨大な集積ぶりに圧倒されることになろう。その数は約4000工場とされ、見事なサプライチェーンを形成している。世界のノートパソコンの約80%程度が長江デルタに集結した台湾企業によって生産されているのである。中国大陸において、日本企業と台湾企業が競争する場合、これまで日本企業が勝てたためしがない。だが、絶頂の時にあるこの台湾企業、「あと数年で大陸のローカル企業にやられる」と語っているのである。日本企業には、まだ、こうした認識はない。現在のように世界規模の大きな変革の時にこそ、その焦点になってきた中国大陸を、台湾企業が「どのように見ているのか」を知ることは、日本企業のこれからに重大な意味をもたらすであろう。そのような視点から、本書は主として中国の長江デルタ地域に集積している台湾IT企業に注目し、詳細な「現場」調査を重ねながら、日本企業のあるべき姿を考えていく。
編者紹介 関 満博(せき・みつひろ)1948年富山県生まれ。1976年成城大学大学院経済学研究科博士課程修了。現在、一橋大学大学院商学研究科教授、経済学博士。著書に『阪神復興と地域産業』『モンゴル/市場経済下の企業改革』『地方小都市の産業振興戦略』『市町村合併の時代/中山間地域の産業振興』『現地化する中国進出日本企業』『ベトナム/市場経済化と日本企業』ほか多数。これまでに1984年 第9回中小企業研究奨励賞特賞、1994年 第34回エコノミスト賞、1997年 第19回サントリー学芸賞、1998年 第14回大平正芳記念賞特別賞など受賞している。

内容説明

世界のノートPCの7割を生産する長江デルタ地帯。その爆発的発展は、台湾企業の果敢な大陸進出、人々の「希望」と「勇気」に支えられている。本書では、蘇州圏を中心に台湾企業の現在を精査し、日本企業が「世界の工場/市場」にどのような姿勢で臨むべきかを展望する。

目次

序章 台湾IT産業の長江デルタ展開の意味するもの
第1章 台湾IT産業と大陸進出の動向
第2章 台湾IT企業の長江デルタ進出―珠江デルタとの対比で
第3章 蘇州主要開発区への進出動向
第4章 台湾IT関連主要企業の蘇州展開
第5章 IT関連産業集積の基盤を形成する台湾中堅・中小企業
第6章 台湾IT企業のサプライチェーンと金融
第7章 中国サイドから見た台湾企業の進出
終章 台湾企業から見る日本企業の課題
補論1 長江デルタに展開するIT関連日本企業
補論2 珠江デルタに展開する台湾企業の現在
補論3 珠江デルタのローカル企業と日本企業の現在

著者等紹介

関満博[セキミツヒロ]
1948年富山県生まれ。1976年成城大学大学院経済学研究科博士課程修了。一橋大学大学院商学研究科教授、経済学博士。受賞、1984年第9回中小企業研究奨励賞特賞。1994年第34回エコノミスト賞。1997年第19回サントリー学芸賞。1998年第14回大平正芳記念賞特別賞
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感想・レビュー

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すぎえ

4
世界のラップトップの8割を作っている台湾IT企業の中国進出における長江デルタ周辺への集積を実地で工場や開発区の視察へ赴いて書かれたレポート。産業基盤としての基礎基盤が中国にもだいぶ形成されているのだと実感。日本も戦後にアメリカから製品の委託生産やテクニカルサポートの代理店を通じて徐々に1から物を生産する力をつけていった。戦後と今では、物を生産するための設備がぜんぜん違う。その違いが今後の製造業でのアジアの国家間での地位の違いになっていくだろう。現時点では中国には世界に先駆けるプロトタイプの創出は難しいだろ2010/03/27

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