“現代の全体”をとらえる一番大きくて簡単な枠組―体は自覚なき肯定主義の時代に突入した

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“現代の全体”をとらえる一番大きくて簡単な枠組―体は自覚なき肯定主義の時代に突入した

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  • サイズ B6判/ページ数 222p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794806529
  • NDC分類 309
  • Cコード C0036

出版社内容情報

本書では、「無原則・無節操の現実主義者」「腐敗と犯罪に満ちた先進国の政治家」「高潔志向の知識人」「宗教関係者」「発展途上国の理想主義者」たちが同じテーブルに着いて議論するための最低条件を提示します。

本書の目的・・「現代大衆社会の「正体」を明快に分析し、暗さと閉塞感を突破する最もシンプルな「組み立て部品」。まず、「現代」というものの正体を単純にあからさまに提示する。その上で、具体的に実行可能な提言をし、現代の状況全体に対して漠然と「暗さ」と「閉塞感」を感じている人々に脱出口を提供する。それが本書の目的である。本書の内容・・「現代の全体」をおさえるためには、「現代大衆社会」の全体的性格をおさえなければならない。そのためには、その「大衆社会」を作り出したものを知る必要がある。それは紛れもなく「科学技術」と「民主主義」と「資本主義」であり、それらの背景にある「科学主義」、「自由主義」、「個人主義」、「人権主義」である。しかし一番重要なことは、それらのもう一段奥にある「ものの見方・感じ方・考え方」をおさえることである。ところが解りやすいことに、「科学・民主制・市場経済・大衆社会」は、ある一つの「単純な古代思想」と関連している。その関連を理解するための思考枠組を本書では提供する。本書の結論・・現時点で「普遍的真理」も「普遍的正義」も政治的・学問的・哲学的に成立していないという現実を踏まえた上で、若干挑発的・反常識的な主張を経由し、「暫定的原則」、「無原則の友好」、「無条件の寛容」、「二重基準の標準化」が結論される。
著者紹介 須原一秀(すはら・かずひで) もとは論理学と科学哲学を専攻する者であるが、「哲学の学問的不成立」を主張する本書の手前、ここでは社会思想の研究家を名のりたい。龍谷大学・立命館大学講師。著書:『超越錯覚-人はなぜ斜にかまえるか』(新評論、1992)、『高学歴男性におくる弱腰矯正読本-男の解放と変性意識』(新評論、2000)。訳書:A.C.マイクロス『虚偽論入門』(昭和堂、1983)など。E-mail:eeshoo@mb.infowb.ne.jp

内容説明

現代大衆社会の「正体」を見極める旅へ!暗さと閉塞感を突破する最もシンプルな「組み立て部品」。

目次

1章 「哲学」と「民主主義」の険悪な関係(まず「哲学」と「思想」の手軽な総括から始める;哲学は死ぬが、思想は死なない)
2章 「哲学」と「科学」と「民主主義」の発生と衰退(「民主主義」と「科学理論」と「学問的哲学」が同時に誕生した;異様で生々しいギリシア神話 ほか)
3章 「哲学」と「科学」と「民主主義」の復活と展開(中世暗黒時代が終わって十九世紀まで;ニーチェの哲学だけはきっちりと決着を付けておこう ほか)
4章 「科学主義・民主主義・資本主義・大衆肯定主義」を抱え込んだ「現代」(大きな社会は見えない;古代と現代の肯定主義 ほか)
5章 真理と正義と幽霊(真理と正義はどこに?;とにかく「差し当たりの楽観論」と「ゆるい性善説」がなければ何事も始まらない ほか)

著者等紹介

須原一秀[スハラカズヒデ]
論理学と科学哲学を専攻する。龍谷大学・立命館大学講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パブロ

15
うぅっ、哲学が息してないよ…。学問としての哲学なんて無意味! 崇高な哲学なんて追求せずに現実肯定で行こうよ。この猥雑な資本主義社会だからこそ、民主主義は生き残っていると著者は言う。だからこそ「普遍的な正義と真理の実現という積極的理想は放棄して、民主主義制度の枠組みの中で、人類の共存・共栄に向けて地道な努力を続けよう」。哲学の歴史を200ページという薄さで総まとめ&叩きのめすその無謀さ! 軽快な口調の中に熱くほとばしるアジテーション!! 自ら命を絶たないでほしかった。もっとこの著者の本、読みたかったよ〜。2014/05/16

かやは

8
「人間社会を幸福にする唯一の体系」そんなものは存在しないということを、説得力をもって教えてくれる一冊。自然が産み出した人間という生き物は、人間自身に把握されるほど単純なものではない。一人の人間の深淵さ。それがさらにいくつも組みあわされた社会の闇深さ。そんな社会に対する的確な解は、体系化することはできない。実社会は、中途半端にしておくか、少数の幸せのために皆が不幸になるか、皆の幸せのために少数が不幸になるかしかない。誰かが思う絶対幸福が達成された世界とは、誰かにとってのディストピアなのである。2017/06/06

弥勒

8
「『肯定主義』とは、人間の清純な側面と醜悪な側面の両面性を認め、さらに人間の非合理性と多様性と可塑性(あらゆる方向への柔軟な適応可能性)を承認して、それらすべてを開放する『見方・感じ方・考え方・生き方』である」とした上で、それを具現化したシステムとして民主主義や資本主義を「ブラックボックス兼ブラックホール兼フロンティア」とみなし、そこでは「積極的理想は放棄し、『全人類に活動場所と安全な避難所と相互調整の機関を確保しつつ、共存・共栄を図る』という消極的理想を掲げるべきである」と筆者は主張してをりました。2017/03/27

ichiro-k

7
「自死という生き方」をした著者の真意に興味を持ち購入。思想的な内容だ。マジョリティ的発想の高慢さを感じる。著者に「人に厳しく、自分に甘い」人間性を感じた。自死は、本当に武士道的思考(葉隠れ的)があったのか?という疑問を持ち読了。自分には、「思想(考え方)」というモノこそがウツロイ易くて信用ができない。「気になる箇所」もあったんだが・・・・・読み返すうちにバカバカしくなり消去。2011/05/07

みんと

4
哲学の本であり、難しいだろうとは思いつつも、まえがきに“この本は1時間か1時間半くらいで、読み取ることができるだろう。”って書いてあったので、頑張って読んでみたが、理解するにはけっこう時間を要した。まず、現代は民主主義や資本主義などの自由無き肯定主義が叫ばれるようになり、実質的な死亡状態となっている。しかし、思想自体が死んだわけではないという事である。健康や幸福や安全に関心のある虚無主義(ニヒリズム)が衰弱した人間の典型とあることに少々動揺してしまった。2009/01/15

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