出版社内容情報
【1930年代新鉱床探査から1970年まで】新鉱床の探査と発見、巨額の鉱山開発金融、アフリカ人労働者の確保、金鉱山の成果等、南ア金鉱業の大躍進を用意周到に解明した野心作。
南アフリカ金鉱業の歴史は、1886年のラント金鉱(南ア北部に位置するかつての世界第一の産金地帯)発見から数えると、現在まで120年近くにわたる。「金の国」をめぐるこの長い歴史は、次の三つの時期に区分することができる。第一期は、ラント金鉱発見から第二次世界大戦勃発(1939年)まで、第二期は1930年代からの新しい金鉱床探査から金生産が頂点を極める1970年まで、そして第三期は1971年以降現在まで、である。本書は従来十分に研究されてきたとは言い難い第二期に光を当て、この時期の金鉱業の形態が南ア金鉱業史全体にとってどのような意味をもつのかを明らかにしたものである。
内容説明
第二次世界大戦後における南ア金鉱業の大躍進を用意周到に解明した野心作!新鉱床の探査と発見、巨額の鉱山開発金融、アフリカ人労働者の確保、金鉱山の成果、鉱山開発の主体たる鉱業金融商会の乗っ取り過程などを精緻に検証する。
目次
第1章 新金鉱地の発見と鉱業金融商会(Far West Rand金鉱地;Klerksdorp金鉱地 ほか)
第2章 新金鉱地の鉱山開発金融(金鉱山開発金融とグループ・システム;第二次世界大戦後における新金鉱地開発投資額 ほか)
第3章 金鉱業の新展開(金鉱業の動向(1939~55年;1956~70年)
鉱業金融商会別動向)
3章補論 金鉱山のウラン生産(南アのウラン生産の背景と経緯;南アのウラン供給契約とウラン生産)
第4章 金鉱業「労働帝国」の拡大(「労働帝国」拡大の追求;1930年代における南ア国内黒人労働者の増大 ほか)
第5章 鉱業金融商会の再編成(CGFSAの危機;CMの危機とコーナーハウスの解体 ほか)
著者等紹介
佐伯尤[サエキモト]
1939年愛媛県に生まれる。1964年一橋大学社会学部卒業。1973年一橋大学大学院社会学研究科博士課程中退。現在、関東学院大学経済学部教授。専攻は世界経済史、アフリカ経済
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